内容説明
「そんなことは自分の頭で考えろ!」警視庁捜査一課に配属された目崎敦史は、コンビを組むベテラン刑事・棟方国雄警部補からどやされてばかりいる。目崎の経験のなさのせいでもあるが、“辞めさせ屋”の異名をとる棟方への反発も覚える。初の現場は石神井公園で発生した殺人事件。被害者は少年時代に強姦殺人を犯した人間だった。捜査を進めるうちに二人の関係に変化も兆しはじめ……。書き下ろし警察小説シリーズ第1弾! 平成最後の名バディ、ここに誕生!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
172
『法の壁』は少年法を指したタイトルで、テーマは新鮮ではないが、問題点を丁寧に描いていて好感は持てた。警視庁ナンバー2の甥っ子・目崎刑事と不愛想なベテラン刑事・棟方によるバディものだが、それも既視感があるのが残念。棟方が後輩の相棒に厳しくて「辞めさせデカ」という綽名だが、そうは思えないのも……。二人の裏事情を匂わせたまま本筋の捜査が進むが、ミステリとしては標準点…出し惜しみした連続ドラマの初回みたいで、物足りなかったのが正直な感想。でも、佳作『真犯人』を書いた方なので、念の為2作目を確かめてみようと思う。2019/09/27
紫綺
80
警視庁刑事部捜査一課の新任「目崎」とベテランだけど偏屈な「棟方」の凸凹コンビが活躍‼反発しながらも同調していくバディもの。組織や階級、役割など警察ものに疎い人にも丁寧で分かりやすい筆致に好感を持つ。2019/08/17
タイ子
73
「私は決して諦めませんよ、破滅するあなたをこの目で見るまでは」また新しい刑事シリーズが始まりそうです。ベテラン刑事棟方には<辞めさせデカ>の嬉しくないあだ名が、新米刑事目崎の叔父は警察庁のナンバー2というとても相性がいいと言えない2人がバディを組んで事件の真相に近づいていく。分かり易いと思えた真相になかなか近づけない捜査や、棟方のやり方に対する目崎の見方がだんだん変わっていく有様が丁寧に書かれて読み応え十分。予想通りの犯人で決着かと思いきや、横から入ってきた真実にあっ!と驚き最後まで楽しめました。2019/02/05
papako
68
ちょっと気になってた作品。おじさん刑事棟方と新人刑事目崎くんのバディもの。棟方は過去に何かあるけど、まだわからない。目崎くんは父親を殺した犯人を捕まえられるのか?目崎くんの甘ったれた感じから、棟方に学ぼうという姿勢になってからはいい感じ。三巻で終わりみたいだから、読もうかしら。2020/02/10
ゆみねこ
63
捜査一課に配属された26歳の新人刑事・目崎敦史。指導係は辞めさせデカの異名を持つ・棟方。殺人事件を追う年の差バディ物、面白かったです。2019/02/06