内容説明
ボッシュはDROP(定年延長選択制度)の任期半ばでのロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のミッキー・ハラーを代理人に立て、ロス市警への異議申立ての訴訟をおこなっているが、それ以外は、引退後の念願だった、古いバイクのレストアを老後の楽しみにしようとしていた。 ところがハラーから呼び出され、子飼いの調査員が怪我をして入院しているため、いま抱えている殺人事件弁護の調査員になってくれないか、と頼まれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
157
今回もコナリーにはやられてしまった。もはやページを捲ればそれが傑作だと約束されているといっても過言ではない。ボッシュの停職処分から余儀なくされた早期退職に対する訴訟、それを弁護するのが異母弟のミッキー・ハラー。そしてハラーはボッシュに自分の仕事の調査員になるように依頼する。この2人の職業と関係性を十分に活用しながら実に淀みなくシリーズが展開する様にいつもながら感心する。コナリーはボッシュ、ハラー2人の男の人生を知っており、それを我々読者に提供している、そんな気がするほどの成り行きの自然さを感じさせられる。2020/03/22
KAZOO
135
この本の次の巻が出てしまったので急いで読むことにしました。警察をやめていたが異母弟の弁護士(この人物も常連で主人公の本が出ています)から調査を依頼されます。警察の手の内がわかっている主人公は調書の内容を精査して弁護士を助けることになりますが、不可解な殺人事件などがあり警察内部の関係者がいるのではないか、ということになってきます。最初のプロローグのようなところでの事件が結局弁護士をサポートすることになったということなのでしょう。2019/08/10
ケイ
122
出だしは、とうとうコナリー氏の筆の冴えも衰えをみせたかと思ったものの、次第に虜になった。やっぱりさすがだな。本を置きたくても抵抗できない。コナリーの読者でリンカーンシリーズの方が好きだって人は果たしているのかしら。やはりボッシュに動いてもらわなくちゃ。今は続きで直ぐに下巻を読んでいる。2019/09/27
のぶ
97
まだ上巻を読む限りですが、安定の面白さですね。しかも今回はハリー・ボッシュとミッキー・ハラーの共演作。ハリー・ボッシュももう65歳を迎え、前作で些細な事から停職処分を受け、結局退職を余儀なくされる。そんな時、ハラーから事務所の調査員シスコが怪我で代わりに手伝ってほしいと依頼される。その事件は女性公務員が自宅で強姦の上、撲殺されたというもの。DNA鑑定の結果、ハリーの古くからの友人、元ギャングが逮捕された。あくまでハリーが主役だが、ミッキーとのコンビが良い味を出している。この先どう展開するのか感想は下巻で。2019/01/20
エピファネイア
81
年末年始恒例マイクル・コナリーで年またぎ。今年は「贖罪の街」。ボッシュとハラー競演の贅沢な1冊。ロス市警退職を余儀なくされたボッシュ。ハラーは自らが弁護することになった殺人事件の調査をボッシュに依頼しようとする。ボッシュは弁護士の側について、被告人の罪を軽減させるために汗をかくことに抵抗があり固辞していたが、被告人と面会して被告人の目は嘘をついていないと確信し、本格的に調査に乗り出す。しかし、被告人のアリバイを証明してくれるはずの人物は殺害されていた。上巻はボッシュの活躍が中心でハラーは脇役。下巻に進む。2024/12/29