内容説明
憲法制定と講和条約――米ソ対立が深まる中、戦後日本の新しい「国のかたち」を巡り、近衛文麿、幣原喜重郎、芦田均、吉田茂、白洲次郎らが、マッカーサー、ホイットニー、ケナン、ダレスらと激しい駆け引きを繰り広げる。世界史と日本史を融合させた視点から、日本と国際社会の「ずれ」の根源に迫る歴史シリーズ第二弾(前編)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
5
国際政治の中に落とし込まれた「昭和史」の姿が非常に新鮮で面白い。 大きな物語の中で躍動する人物描写はまるで小説を読んでいるかのようである。松本烝治を筆頭に国際情勢を理解しようとしない頑迷な法学者の姿は、何とは言わないがどこか既視感のあるもので苦笑いしてしまった。 厳しい国際情勢の中でもがき苦しみながらも、未来への希望を見失わない政治指導者の姿には胸を打たれるものがある。 2018/08/28
g_eiru
3
1945~1952あたりの外交史の本。 アメリカ主導の日本統治に一枚噛もうとするソ連という図式があり、ブルガリア、ルーマニアをソ連圏に入れる事でアメリカ単独統治を達成した話は初耳。ブルガリアにウランがあったからだという裏話は当時の事情が思われるね 幣原喜重郎、吉田茂あたりは革新的な思想を持っていたからGHQとやっていけた。天皇制を残す為に平和主義を憲法に盛り込んだという事情もあったが、結局は象徴化され、ソ連の口出しが入る前に殆どGHQ草案のまま決定された。2020/01/13
きみどり
3
非常に勉強になった。特に、新憲法制定の過程について詳しい。日米それぞれの天皇制維持への動機。国際社会を納得させるために平和主義を取り入れる必要があったこと。制定の過程には、日本への干渉を強めたいソ連や中国と、日本を太平洋の勢力下に持っておきたいアメリカとの冷戦という、国際的な動きが強く関わっていたこと。などなど、わかりやすく語られている。文献が充実している点も良かった。2019/01/04
miu_miu
3
戦後史については高校では最後にさらっとやっただけで、全くの知識不足であることを再認識しました。現行憲法が米国から押し付けられたものとは聞いていましたが、最初は米国は日本人に起草させたのに、その草案が頑迷な憲法学者の手によるもので、明治憲法とほとんど変わらない内容で、これが米国の逆鱗に触れたため、米国案になったとは知りませんでした。天皇制を守ることが最優先で、そのために不戦条項を受け入れたということも、知りませんでした。勉強になりました2018/11/23
takao
2
ふむ2024/06/12
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