集英社新書<br> 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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集英社新書
堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

  • ISBN:9784087210521

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内容説明

南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。 【目次】はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進/第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹/第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍/第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂/第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎/第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿/終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館/おわりに/【年表】堀田善衞の足跡/付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから……

目次

はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進
第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹
第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍
第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂
第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎
第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿
終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館
おわりに
【年表】堀田善衞の足跡
付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

79
以前図書館本を読んでいたのだが、手元に置いておきたいと思い購入した。再読である。堀田善衛は、時代を人間を冷静に深く読み解く。今のこの時代だからこそ読むべき本が多いように思う。この本は、そのための入門書になるだろう。終章にあげられた堀田善衛の言葉が心に響く。「何万人ではない、一人ひとりが死んだのだ。」「歴史は繰り返さず、人これを繰り返す」今、テレビから流れるニュースの向こうにあるものを見るべきなのだろう。2020/05/21

keroppi

76
堀田善衛の著作は大好きなのだが、まだまだ読めていない。池澤夏樹が、宮崎駿が、熱く語る。私は「美しきもの見し人は」に知的興奮を覚え何度も読み返した。「ゴヤ」の第4巻をプラド美術館に持参し、黒い絵を見つつ読んだこともある。知性の塊のような人だと思う。歴史を日本を人を見つめる視線は鋭い。この本にも堀田さんの著作の断片が掲載されているが、その一つ一つの文から思考の深さと鋭い感性を感じてしまう。もっともっと読みたい。ちなみに、「モスラ」の原作者の一人でもある。2018/11/29

岡本 正行

59
 読みやすい。堀田善衛の本自体は、明月記抄などで数冊よんでいて、馴染みがある。終戦直後の困難な時代で活躍した作家だけに、その苦労は図りしえないものがある。そして、この本を書いた作家や漫画家、監督なども堀田よりは少し後かもしれない。だからこそ影響を受けている。その次の世代である私は、堀田善衛というと、凄い文学者、作家と思う。そういう色眼鏡は外して、真にいい本として味わいたい。それが可能な文書である。読みやすく、解りやすい短文集である。2023/11/27

yumiha

41
5人の方々が堀田善衛を語る。宮崎駿は、純粋に「心の芯」と言い切り、自分が迷ったりしたときの「羅針盤」と言うまでの惚れこみようが印象的だった。トトロやラピュタにも、堀田善衛が生きていた?また鹿島茂(フランス文学者)は、堀田善衛の文体も含めて、その文学を分析しているのが、興味深かった。まだ未読の堀田善衛作品『広場の孤独』『ゴヤ』など読んでみたいと思わされた。2019/02/13

やいっち

41
本書は、過日、訪れた高志の国文学館で開催されている「堀田善衞―世界の水平線を見つめて」を見てきた、そのショップで入手した。  本書を読んで、池澤夏樹が福永武彦の息子だと初めて知った。手軽に、気軽に手にしたけど、なかなか面白いし、参考になる。堀田善衛生誕百周年。再評価しないと。などと呟いてきたが、昨日(土曜日)車中での待機中に、一冊を読み切ってしまった。2018/10/21

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