内容説明
古典文学の名作を林真理子が官能的に再構築。
誠実だが真面目で性に対しても淡泊な薫と、好色で不誠実だが女性に優しく情熱的な匂宮。光源氏の血をひく、二人のイケメン貴公子が都から離れた、美しい水郷の地=宇治で繰り広げる恋愛ゲーム。裏切り、嫉妬、懐疑…。そしてふたりの間で翻弄される女、浮舟の揺れ動く心と、愛欲におぼれゆく様を、恋愛小説の名手、林真理子がリアルに、執拗に、そして官能的に描き切った問題作。
平安の恋愛小説の原初として、千年以上にわたって読み継がれてきた「源氏物語」の中でも、人気の「宇治十帖」部分を大胆に新解釈。世紀を超えた二股愛の末に、浮舟が向かった衝撃的末路は!?
美しい情景描写と、濃密にしてエロティックな性愛表現。さらにはスピード感溢れる展開に読み始めたら止まらない! 果たしてこれは古典文学なのか、それとも現代小説なのか?
前作「六条御息所 源氏がたり」(上下巻)に続く、林真理子版「小説源氏物語」の、いよいよ完結編です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シフォン
27
源氏がたりが面白かったので。こちらは宇治十帖をベースした光源氏亡き後の薫と匂宮と宇治に住む女性たちの物語。源氏がたりは六条の御息所のかたりだったのですが、こちらは基本は薫目線で書かれており、通常の小説同様な感じでした。光源氏亡き後は小説もちょっと寂しい感じがしますが、ちょっと真面目な薫もプレイボーイの匂宮もやってることは光源氏と変わらずですね。2019/02/17
あいくん
10
☆☆☆☆林真理子さんは、「六条御息所源氏がたり」を書きました。六条御息所の視点からの光源氏の物語です。これは宇治十帖の物語です。視点は宇治の大君、中の君、浮舟です。どちらも以前読んでいましたが、久しぶりに読み直しました。源氏物語のポイントをよく押さえています。文庫本3冊で源氏物語五十四帖を網羅していますので、ストーリーを追いかける読み物として味わうべきかもしれません。薫と匂宮が中心です。紫の上、明石の中宮、女の宮、夕霧、六の姫君、玉鬘、秋好中宮、六条御息所、冷泉院、光源氏、柏木などの名が出てきます。 2021/01/04
まつこ
10
今作も含め、宇治十帖を読む度に光源氏の良さを再認識する…。光源氏に比べると、薫も匂宮も何か足りない。可愛げなのかな?2019/12/19
まこ
8
光源氏達、凄いけど前に亡くなったのでピンと来ないと登場人物達の身勝手さが顕著。最終的に一番弱い浮舟にかかってくる。薫の視点中心で語られ、出生の秘密や匂宮への対抗意識と共感できそうと思ったら。大君姉妹との出会い以降は匂宮共々、恋人をぞんざいに扱って変に張り合いしてて頭抱える。2022/02/20
ひやしなむる
8
最近読書熱が冷めてきている私ですが、10分でも時間が空いたら「今読める?!読もう!!」と本を開いて読み耽りました。宇治十帖はあんまりよく知らなくて、薫と浮舟といい匂いのするやつ (失礼)の三角関係の話だった気がする……くらいの認識。途中まで、大君か中の君のどっちかが後に浮舟と呼ばれるに違いないと思ってました。時代が違っても世の中が変わっても、変わらない「人間くささ」というのが源氏物語の魅力だと思うのですが、そんなただでさえおいしい食材を、見事な手腕で素晴らしい料理に仕立て上げる林真理子さん、さすがです。2019/01/11
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