内容説明
旗本の長男として生れた田沼意次は、大胆卒直な、器量すぐれた若者に育ち、将軍世子・家重の側小姓に登用される。19歳で家督を継ぎ、美しい妻を得、出世を重ねて、やり手の上司・大岡忠光にとり込まれてゆく。有能だが、特に強い後楯を持たない意次は、進歩的な能吏として、どのようにして幕閣の迷路を生き抜いてゆくのか。田沼意次の生涯を描いた大作、全3巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
4
狂歌 白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき で有名な老中。御側御用人を兼ね将軍に最も近い政治家として生きた人物。大河ドラマべらぼうでに登場していて、市井とごく親近な姿で生きていて、現代の江戸文化観の近いところにいたような感じ。そんなところから菓子折りの底の小判で有名な、この人物がそれぞれのどう描かれているのか興味から読み始める。吉宗の小姓勤めは、各藩からなる老中たちの中で生きてゆく知恵を得たのだろうが、小説ではもともと出来た人物の活躍として描かれている。相良城着工までを描く。2025/12/21
東森久利斗
3
脱ヒール宣言、汚名返上推進、悪書追放、ネットの書き込み削除、名誉棄損で勝訴間違いなし、歴史誤認、歪曲の最右翼。時代に早すぎた改革家、真の政治家、希代のエコノミスト、開明家、国際派、ダイバーシティ&インクルージョン先駆者。理解されない異才の宿命、悲劇、無益な武家社会のスケープゴート。自己中で保守的な凡人の妬み、恨み、四面楚歌での孤独な戦い。江戸城本丸、徳川治世の政治の舞台裏、江戸の街並み、社会情勢、将軍の仕事、旗本直参の生活、閉鎖的で無意味な慣習、江戸時代中後期の世界を体感。徳川家終焉への足音が聞こえる。2024/06/05
ハイディ
1
賄賂政治家という記憶があるが、できる役人として描かれている。2025/02/09
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