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内容説明
トランプ大統領の就任後、「移民の国」アメリカは様々な形で不法移民への圧力を強めている。強制送還や入国制限で、家族と離れ離れになった者も多い。それでもなお、アメリカを目指す人の波は途絶えない。世界のあらゆる場所からあらゆる事情の人々が、国境という壁を越えてくる。受け入れるか、拒むか、それとも無視か。果たして、アメリカはこれからも「夢の国」でいられるのか? 読売新聞ロサンゼルス特派員による渾身のルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
トランプ時代の移民を取材したルポ。母国を暴力で追われた人や経済的に困窮し米国に渡った人、支援する人や移民に娘を殺された人、聖域都市や国境の様子、入国制限された国の様子等、どれも興味深い。難を言えば移民関係者への取材ばかりで、反対派の立場からの取材はほとんど無い点か。それでもイスラム教徒がカナダへ脱出している事や、第二次世界大戦中強制収容された日系人が移民に関わろうとする様子などは初めて教えられる。バイデン政権が始まってすっかり報道される事はなくなったが、現在どのようになっているかが読み終えて気になった。2021/10/07
skunk_c
51
読売新聞ロサンゼルス特派員の著した、不法移民や2018年現在は法的保護にあるが、それがトランプによって打ち切られる可能性のある人たちに対する丁寧なルポ。著者は当初不法移民の「不法」にとらわれ、トランプの政策にも賛否両方を持っていたようだが、取材を続けるうちに意識が変わっていった様子が感じられる。かつての日系人強制収容と現在の日系人達の移民政策の対応が挿入されており、本書が立体的になった。「元をただせばアメリカ人は殆ど移民で、法律が後からできた」という支援者の言葉が核心を突く。大統領選のゆくえが気になる。2020/11/02
James Hayashi
30
1100万人もの不法移民。150人余を取材し移民の現状を知れる。驚きは国境付近で不法移民が拘束されても、バッググランドに問題なければ強制送還されず米国内に放たれている事。これは彼らを難民として認定している為か?難民としてなら人権問題になるため、強制送還せず丁重に扱っているとみられるが、そうでないケースも見られる。ケイト法の容疑者は麻薬で捕まり何度も強制送還されながら入国を繰り返している。https://en.m.wikipedia.org/wiki/Shooting_of_Kathryn_Steinle 2018/12/24
ののまる
8
実は「不法移民」がいることで、困ることより社会が良くなることの方が圧倒的に多いアメリカ。2019/08/13
Happy Like a Honeybee
7
移民が取り沙汰される昨今、諸問題について。 日本も100年すれば、今の米国と同じ状況になるのか。 イスラム教徒排斥は、第二次大戦における日系人強制収容所と同じ構造。 単純労働がメイン移民の受け入れは正解であろうか。 為政者たちに必見の内容だ2019/01/25