出版社内容情報
内乱続きの小国の新王は何の力もない元修道女のマーガレットだった。けれど国王になった直後に内乱が勃発し、さらに宝剣も盗まれて――!? 無力な少女が血塗られた玉座を制する、光あふれるヒストリカル・ロマン!
内容説明
二十年間の王位争いで国が荒れたリカー王国。やっと決まった王は急逝し、後を継いだのは弱冠十八歳の一人娘マーガレット。元修道女の跳ねっ返り娘だった。明確な味方は成り上がりの騎士エドマンドだけ。正統な王の血を引く男ライオネルには見下され、魑魅魍魎の跋扈する王宮でもまれ、マーガレットは少しずつ「女王」として成長していく。けれど度重なる反乱に加え、ついには戴冠式に必要な宝剣も紛失し…!?「リカーの王は、この私よ」無力だった少女が、国を、民を、自分を救う、光あふれるヒストリカル・ロマン!「カクヨム」書籍化作品。
著者等紹介
仲村つばき[ナカムラツバキ]
6月27日生まれ。2012年、第14回エンターブレインえんため大賞ガールズノベルズ部門特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
32
二十年間の王位争いで国が荒れたリカー王国。やっと決まった王も急逝し、元修道女の一人娘マーガレットが後を継ぐヒストリカル・ファンタジー。孤立する王宮で味方は成り上がり騎士エドマンドだけ、正統な王の血を引く男ライオネルには見下される中で、国民のためにいい女王たるべく努力し続けるマーガレットが直面する反乱。なかなか厳しい状況でしたけど、それでも半ば意地で奮闘し続ける凛々しい彼女の姿は、見る人が見たら心動かされますよね。そんな彼女だからこそ迎えられた本来あるべきところに収まった結末にはぐっと来るものがありました。2020/11/12
すがはら
23
不器用カップル。恋愛の方面はほとんど書かれてないけど。歴史ロマンです。終盤の凄みが出始めてからのマーガレットは格好良いです。女の敵は女って言うけど、嫉妬と認めずに引きずり落とそうとするのって本当に怖い。2020/11/22
虚と紅羽
16
これなんて大河?のやつ。 キャラクターはマーガレット以外も一人一人もっと深掘りしてほしかった。彼女の成長物語もいいんだけど人間ドラマに寄せても面白かったのでは。何よりマーガレットとライオネルの、鏡のような関係が好き。だからこそ結末がそうなのは何か違う感がなぁ………!エドマンドにあれだけフラグ立てたクセに。 『地面にひれ伏し、ジギタリスの毒をすするがいい』の言葉にゾクっとしましたね!ジギタリスの毒すら飼い慣らす女王なんてとってもいいじゃないですか。まだまだ甘い気もしますけどね。2021/01/15
ときわ
14
廃墟の話が面白かったのでこれも読んでみた。猛スピードで語られたので、少しもったいなかったな。膨らませ方はいろいろあるだろうが、出版社側がまだ作者にそこまで書かせてくれなかったのだろうと思うことにする。この国は周りから侮られるほどの小国。そういう国でもやはり国王になりたいのか。もともとは同じ一族なのに、相手が国王になるのは絶対いやというのが動機か。そういう中にあって、国がちゃんと治まるのなら、本当は王にならなくてもいいと思うマーガレット。この作者はそういう考え方の女性が好きらしいな。2021/03/05
ミド
9
王位をめぐるヴィア家とグレイ家の争い。ワースの地での戦いと裏切りについて詳しく語られることなく話が進んでいくけれど、やっぱり薔薇戦争が下地になっているのか。(薔薇戦争については某漫画をかじった程度)中世らしく血なまぐさくて陰謀にイライラさせられるけど、首謀者が退場して女王の自覚を持ったところから面白くなった。夫はやっぱりそっちだよなあ。恋愛ももう少し見たかった。2023/01/15