内容説明
日本一の「江戸店持京商人」になろうと並木屋に修行に出ていた清兵衛。だが実家茜屋に呼び戻されたことから、彼の悲劇が始まる。茜屋は火の車だったのだ。倒産寸前の実家と立て直すため、清兵衛が奮闘する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
75
舞台は大坂は堺の縮緬問屋。大坂の材木商に商売の修行に出ていた清兵衛が急遽実家に呼び戻される。店主父親の放蕩三昧の挙句、店が危機的状況に陥ってる始末。その上、店には父親が外で作った娘まで来てるし一体どうなってる?!さて、飯にしよかと言ったはいいけど、お米が一粒もない・・・って。清兵衛が代替わりして何とか店の立ち直りを図るが、お金の借り入れも上手くいかない。家宝の壺を担保に借金したが、偽物扱いで奉行所に引っ張られるし。大阪弁の飛び交うテンポの良い会話が笑える。一体この再建計画どうなるの?続編に行きます。2020/11/26
真理そら
27
5年修業の予定で大阪に出たのに、手紙で呼び戻されて3年で堺の実家(縮緬問屋)に帰った清兵衛なのだが…店の前は汚れているし、誰も出てこないし、泥棒に間違えられるし…。登場人物は癖はあってもイヤな奴ではないので気持ちよく読めた。住吉大社から宿院への渡御や堺の夜市の様子など身近な気がして楽しく読んだ。まだ日本一の商人に近づいてもいないので続編があるはずだと信じている。2019/02/24
サケ太
18
一気読みの面白さ。堺から日本一の商人を目指す茜屋清兵衛であったが、父の左之助の行動の所為でマイナスからのスタート。人間臭い、一癖も二癖もある人物同士の掛け合いは軽快で、くすっと笑えてしまう。展開もスピーディ。危機に継ぐ、危機。脱したかと思えば、前回よりも追い詰められている。ジリ貧かと思えばの逆転劇。痛快にして爽快。優れたリーダビリティ。時代小説というだけで避けるのはもったいない作品。2018/09/23
舞人(maito)
16
読書会きっかけで読み始めた1冊。スンマセン、よく考えたら誉田さん本初めてかもしれない(苦笑)ひょんなことから店を継ぎ守ることになった主人公と家族・従業員の奮闘物語。テンポのよい会話と程よい(?)危機が容赦なく襲いかかる展開は、深刻になりすぎずかといって軽すぎず、という読みやすい作品だった。元凶だった父も、言うこと聞かないお絹も愛嬌があって憎みきれず、作品内の役割がきっちり用意されているの隙の無い構成も魅力。最後のトンチ(?)で切り抜けるものの先は長い。タイトルのところまで清兵衛は行けるのか?続編楽しみ。2019/06/14
デジ姫
10
食いつき良くて一気に読み終えてしまった。今は足元がやっと固まりつつある状態のようだし、シリーズ物に発展するのだろうか?次回作が待ち遠しい。2018/10/26