岩波文庫<br> カラマーゾフの兄弟1

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岩波文庫
カラマーゾフの兄弟1

  • 著者名:ドストエーフスキイ/米川正夫
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 岩波書店(2018/09発売)
  • ゆれるコスモス!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~9/16)
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  • ISBN:9784003261491

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内容説明

暴力を否定し,調和的な愛を強調するこの作品は,作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想,複雑で緻密な構成,人間精神の深刻な把握,また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ.淫蕩なフョードルを父に持つ三人の兄弟を主人公に,悪夢のような一家の形成から破滅に至るまでの複雑多岐な内容を短時日の事件の中に描き出す.

目次

目  次

 著 者 よ り

 第 一 篇 ある一家族の歴史
  第 一 フョードル・カラマーゾフ
  第 二 厄 介 払 い
  第 三 第二の妻とその子
  第 四 三男アリョーシャ
  第 五 長  老

 第 二 篇 無作法な会合
  第 一 到  着
  第 二 老いたる道化
  第 三 信心深い女の群
  第 四 信仰薄き貴婦人
  第 五 アーメン、アーメン
  第 六 どうしてこんな男が生きてるんだ!
  第 七 野心家の神学生
  第 八 醜 事 件

 第 三 篇 淫蕩なる人々
  第 一 下男部屋にて
  第 二 リザヴェータ・スメルヂャーシチャヤ
  第 三 熱烈なる心の懺悔──詩
  第 四 熱烈なる心の懺悔──思い出
  第 五 熱烈なる心の懺悔──『まっさかさま』
  第 六 スメルヂャコフ
  第 七 論  争
  第 八 コニヤクを傾けつつ
  第 九 淫蕩なる人々
  第 十 二 人 の 女
  第十一 ここにも亡びたる名誉

 第 四 篇 破  裂
  第 一 フェラポント
  第 二 父のもとにて
  第 三 かかり合い
  第 四 ホフラコーワ゛の家にて
  第 五 客間における『破裂』
  第 六 小屋における『破裂』
  第 七 清らかな外気の中で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

90
6年前に2巻途中で頓挫した超大作に再挑戦。前回より登場人物に感情移入でき、ストーリー展開や人物描写を楽しめた。兄の婚約者を愛してしまった弟が、いつもの冷徹さを失い感情を露わにするところには男の色気を感じてどきっとした。自分でも自分の本心が分からないまま分かりきったようなことをヒステリックに叫ぶ女性の心が痛いほど理解できた。前回読んだ際に心に残った『美は全ての矛盾を超越する』という文は『美の中では両方の岸が1つに出会って全ての矛盾が一緒に住んでいるのだ』という文を自分で解釈してたらしい。再読って面白い。2020/08/31

syaori

71
1巻から引き込まれます。色情狂で卑劣で吝嗇な父から生れたカラマーゾフの息子達。その生い立ちや父子、兄弟の抱える金や女性を巡る物語を追ううちに、だんだんと彼らの抱える苦悩も浮かび上がるよう。「極道な真似」をやめられない自分を卑しい虫けらと言うミーチャは叫ぶ。「我々カラマーゾフ一統はみんなこういう人間だ」! この言葉が胸に響くのは、人はすべてカラマーゾフの一統だからなのだと思います。欲望と良心に引き裂かれる心、弱い者や善良な者が救われない世界の不条理に絶望する魂。カラマーゾフの苦しみに答えはあるのか。次巻へ。2020/07/01

esop

68
多くの場合、人間というものは(悪人でさえ)我々が概括的に批評を下すよりもずっと無邪気で単純な心を持っている/鉄面皮即カラマーゾフの良心だ/一たいどんな人間でもほかの者に対して、誰それは生きる資格があって、誰それはその資格がない、などと決める権利をもっているのでしょうか2024/06/02

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

37
図書館*愛と救済の物語・第一巻*全てはある一族の会合から始まった、、、貪婪淫蕩な父フョードルの血をうけた三兄弟…激情家の無頼漢ドミートリイ、無神論者の理性人イヴァン、そして慈愛に満ちた敬虔純真なアリョーシャ。世紀のドラマは、こうして幕を開けた!――実生活に密接に関わっている宗教観。私たち日本人の感覚からは遠いものかもしれないが、神と社会常識、各々を"社会の基準"として捉えると、疑う事も否定する事も許されない"常識(本書では神)"の共通構図は興味深い。案外、日本は常識という神の信仰国なのかもしれません(笑)2013/03/22

Vakira

36
8年ぶりに再読。8年も前だがストーリーは殆ど覚えていた。前回は亀山郁夫で今回は米川正夫訳、あまり変化は感じず。強烈な人間ドラマを再び堪能。ストーリー判っているので人名で混乱することなく、落ち着いて楽しく読書できた。前回は登場人物の語りについて行くのが精一杯であったが、今回落着いて読むとかなり宗教色が強い。フョードル、イワン、スメルジャコフ無神論者の様だ。いつも無口なスメルジャコフの語る神父の話。ある神父が戦争により、他宗教の国に捕らわれる。改教すれば命は助けると言われるが、改教せず殺される。これって・・・2015/09/24

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