内容説明
エリート捜査官・ハロルド加藤はおのれの犯した罪におののく。悪徳警官・呉達龍は血にまみれた金を求めてあがく。香港黒社会の狗・富永脩の心の中では覗き見野郎が叫びつづける。絡まりあった謎を追って、ヴァンクーヴァーの明けない夜を男たちが駆け抜ける。それぞれに暗い欲望を抱き、恐怖と憎悪に突き動かされて。果たして生き残るのは誰か? 魂をえぐる暗黒巨編、怒涛のクライマックス。
目次
第二部 デッドリー・ドライヴ
第三部 ピーピング・トム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
271
満足。あらためて読むと、『夜光虫』と下敷きになっているフォーマットがそっくり。しかし、焼き直しという印象もなく、同音異曲として成立している。主役三名の造形の成功によるものだろう。再読となると、人物相関図や、場面場面での状況判断が、あまりにも物語の都合に合わせて歪曲されている部分があり気になってしまったが、熱量の高さと、呪文のように反復される「とち狂っている」という文言に上手くフォローされている。全ての原因を、過去の三角関係に集約させてしまったのは、少し醒めた。恵林どんだけいい女なんだ?2020/09/04
keith
32
裏切り、騙し、言い訳、欲望、信じられるものは何もない。直球のノワール小説。とても人にオススメできない物語でした。2015/11/16
Tetchy
19
上下巻1,040ページ弱の作品でそれぞれの因果や鬱屈が呪詛のように繰り返され、彼らの行く末が存分に書き込まれた作品だが、私にはどうも合わなかったようだ。平たく云うと理解が出来ないのだ。お互いが他を出し抜いてのし上がり、手にした大金の前で、なぜか身の破滅を願う自分がいる。この感覚が理解できない。本作の終盤で繰り言のように頻出するのは“とち狂っている”という言葉。みんなが正気ではなく、とち狂っている。だからこそこんな道に陥るのだ。書いてしまえば簡単だが、それゆえそんな理由で?といった浅さを感じてしまう。2012/09/29
りちゃ
14
ここまで各々がやりたい放題、狂っている。となると、ラストはこうなるよなぁ。と、妙に納得。あと一歩というところで余計なことをしてしまう、詰めが甘い…。生き延びたいのか、生きている実感が欲しいだけなのか…?人間は裏切る。黒社会、余計な詮索をしてはいけない。2017/11/17
タナー
11
何年前になるのだろうか…。この作品の単行本を近所のBOOK OFFでみかけてスゴく気になっていた。文庫になったら絶対読む!と、心に決めていた。初めて読んだとき、当時の自分には少々難しすぎた。そして今年、久々の再読。めっちゃ面白かった。惹きつけられた。のめり込んだ。呉達龍、ハロルド加藤、そして富永脩。この3人のキャラがスゴい。圧倒的なストーリー、スピード感、そして破滅…。J.エルロイの影響が顕著に感じられる作品。日本でこんな面白い作品を描けるのは、馳星周しかいない!馳ノワールの金字塔的傑作。2018/03/10
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