沸騰インド:超大国をめざす巨象と日本

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沸騰インド:超大国をめざす巨象と日本

  • 著者名:貫洞欣寛【著】
  • 価格 ¥1,936(本体¥1,760)
  • 白水社(2018/08発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784560096246

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内容説明

中国と日本の間にインドが割って入り、「中印二強」時代がやってくるのはもはや時間の問題である。インドの成長で、中国の台頭によって引き起こされたものと同様の激変がアジアで起きる――。本書は、政界、経済界のみならず、庶民の生活にも深く分け入った元朝日新聞ニューデリー支局長が、チャイナ・パワーに対峙しつつインドを取り込もうとする日本の戦略を軸に、10年後、20年後のアジアと日本を考えるための手がかりを明示したルポである。
デリー・ムンバイ産業回廊(DMIC)構想など巨大プロジェクトをいくつも立ち上げ、外資を呼び込みつつインフラ整備に邁進するインド。一方、国内では、世界一ともいわれる貧富の差、カーストに基づく根強い差別、頻発する宗教・民族紛争など、深刻な社会問題を多く抱える。「ばらばらな人びとが好き勝手言い合う社会」をまとめるものはもはや国旗と国境しかないと言っても過言ではない。今のモディ政権は、国民統合の原理に薄いインド社会を「ヒンドゥー・ナショナリズム」の枠で固めようとしているが、懐につねに火種を抱えており、その足場は盤石とは言いがたい。
インドが併せ持つ、こうしたチャンスとリスクを冷徹に見極めるための視点を提供する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けぴ

45
日本の同盟国はアメリカ、では準同盟国ってどこ? ⇒イギリス、フランス、オーストラリア、カナダ、このあたりは想定内。さらにインドも?! 興味を持ち本書で現在のインドを勉強しました。中国の傍若無人から敵の敵は味方ということでインドと仲良くしようとしているんですね。日本の技術でデリーには地下鉄、さらに今後ムンバイとアーメダバード間に新幹線も計画されている。モディ首相が今時珍しい清廉潔白の人物でこのような発展が遂げられているようです。とは言え、カースト制度が残り貧民層も多いインド。今後の発展には課題も多そうです。2020/09/27

Kazehikanai

15
インドという巨像の実像を活写。巨大市場、若い労働力、ITや数学。遠からず、名実ともに世界一の超大国になるインドの底力。他方、差別と貧困、宗教、中国などの懸念材料がある。現モディ政権にはヒンドゥー・ナショナリストの側面もあり、長期的には今後の政情も不透明だ。そんなインドを一言で言うと「多様性」だそう。私の感触はカオスだ。中国との対立軸で考える時、頼もしいパートナーであるインドが世界を制する時、日本はいかに対するのか。現在のインドが生々しく理解でき、今後のインドをどう注目すれば良いかがよくわかった。2018/09/02

ちんれん

6
正直経済の発展著しい部分は中国にいるのでさほどインパクトはなかった。が、非核三原則の日本が原則を崩して原発を輸出させられる事と引き換えにインドに新幹線を売ろうとしている点などインドの交渉力が凄い点は驚いた。モディ首相のヒンディー原理主義な点、英語教育がしっかり行き届いているのが20%(1億人)な点も面白かった。もーちょい英語ができるようになったら、インド行きたい。2019/03/13

6
☆☆☆☆☆ インドの経済成長、外交・軍事面の広がり、教育格差、カースト制度、宗教問題について、たくさんの取材を重ねて書かれたことが伝わってきました。インドは、近いうちに人口が世界第一位の国となりGDPも日本を抜いて三位になると予測されています。モディ首相の下で、土地開発が行われインフラが整備されており、そこには各国の企業がこぞって参入しています。裕福なインド人は小学生の頃から英語を学び、一流大学を出て世界各国で活躍しています。一方、電気が通っていない場所に暮らし、貧困に喘いでいる人も大勢いるのです。2018/10/18

Ponyo

3
ワクワクしながら一気に読了。インド=人口が多くて街がカオスでカースト制度が厳しくて科学技術や数学に強くて、でも同じアジアなのによく知らない国。だからこそリアルなインドを政治、教育、カースト制度、宗教など多方面から切り取っているこの本は非常に面白い。日本との関係の深さは意外だったし、中国を超える力を秘めていると言える理由も理解できる。これを読んで以来、モディ首相の発言を読むと色々な施策が繋がってくる。(トランプ大統領の投稿よりも中身があって面白いし)今後日本との関係をどのように発展させていくかに注目したい。2018/09/23

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