内容説明
日本一の本の街・神田神保町にあるベルサイユ書房。テレビで有名なイケメン写真家・ジョージ久保田のサイン会が脅迫された。彼の新作写真集の中に、脅迫犯に都合の悪い何かが写っているらしい。剣崎店長の指令で、作家志望の書店員・研介らは写真の謎を追うことに。卑劣な脅迫犯を捕まえ、写真集を刊行中止から救えるか? タダモノじゃない七尾ワールドが大展開!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
94
ベルサイユ書房続編。今回は写真集刊行のサイン会が脅迫で中止になることから始まる長編。写真集になにかまずいものが写り込んでいたのか。長編だけど連作短編のように、ひとつひとつの写真の謎を解きながら一気に読み進めました。メインの事件は決して軽くはありませんが、ひとつひとつがしっかりとしたコージーミステリで楽しかったです。作家の卵の主人公研介くん、前回よりは頑張っていますが、まだまだですね。濃いキャラの書店員達も、今回は書店内の描写が少なかったのがちょっと残念。続きがありそうなのでまた期待しています。 2018/09/05
かめりあうさぎ
57
シリーズ第2弾。今回も面白かったです。またもやサイン会で事件が起きてしまうベルサイユ書房。今度は、サイン会を開く著者のことを脅迫してきた犯人を5枚の写真を手がかりに探し出す、という本筋。その各写真に絡めた5つの日常系ミステリの連作短編集的構成。テンポが良く読みやすかった。最後が少し駆け足気味だったかなーとも思いますが、キャラは前作よりもハッキリとしてきた感じだし、終わり方も含みを持たせているのでまだシリーズ的には続きそう。今後も楽しみです。2018/06/22
きさらぎ
51
研介が主役なんだろうけど、まったく活躍しないどころか、存在感もあまりない。ミステリ作家志望なのに。こんなに鈍い彼が作家デビューすることはできるのだろうか?今回美月と津田の活躍の影に隠れてオスカル店長の出番が少なかった気がする。キャラの濃ゆ~い面々が登場し、書店なのに事件が起こりまくるという設定が好き。2018/06/13
ハゲおやじ
46
二作目。一作目同様、そんな馬鹿な…という設定の中だが、今回は 書店の店員が 犯人に繋がるであろう写真の謎を追いかける。地道な聞き込みから 犯人に近づくものの まさかの展開には驚きを隠せない。・・・って 偉そうに書いたけど、一作目よりも面白いと思う。研介の推理が遅く、美月が名探偵そのものの推理は健在。でも、ノブエの影がチラチラするのは ゾッとするね。確かにベルサイユ書房は「ブラック企業」だね。そうそう、剣崎店長って 何者?2023/06/04
よっち
46
事件が起こると有名になってしまった神田神保町にあるベルサイユ書房。テレビで有名なイケメン写真家・ジョージ久保田のサイン会が脅迫され、刊行中止に追い込まれる事態に、剣崎店長の司令で店員たちが写真集の中に写る都合の悪い何かを追う第二弾。名物のおじいちゃん、隠し子の謎、覆面作家の正体など、謎の解決は空振りの結果で冒頭の事件の解決に繋がるわけでもないせいかやや冗長にも感じてしまいましたが、ひとつひとつのネタ自体は著者さんらしさがよく出ていて面白かったです。これはシリーズ化や殺人鬼ノブエ再登場もあるんでしょうかね。2018/06/02