内容説明
現在89歳、キャリア70年を誇る精神科医・中村恒子。
今なお現役で患者と向かい合うのは、「求められているから」。
彼女の言葉には余計な力が入っておらず、それでいて愛にあふれ、出会った人すべてを元気にする不思議な力が宿っている。
そんな恒子先生の生き方を、同じく精神科医にして作家の奥田弘美氏が聞き書き。
関西弁のやさしい語り口で、人生を「うまいことやる」方法を教えます。
目次
第1章 なんのために、働きますか?
第2章 期待しないほうがうまいことやれる
第3章 人間関係には、妙がある
第4章 心を平静に戻す
第5章 あれやこれやを、両立していくには
第6章 「日々たんたん」な生き方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
135
私見だが仕事のストレスは大別すると二種類ある。まず自分の能力不足やミスで落ち込むタイプ、そして足を引っ張られたり中傷されたりで感じるタイプ。前者は制御も可能だが、後者とどう付き合うかは長年の課題だ。 読了…人間味に溢れた温かい本だった。人口減少で明るい未来が見え難く、SNSの普及で承認欲求沼に溺れ易い、そんな時代だからこそ余計大切なのかも。特に第6章の内容は参考にしてみたい。 ふとアナ雪の♪レリゴーを思い出す。当時は恥ずかしかったが、いやそんなに悪くないぞ。たまにはエゴを放棄して、流れに身を任せてみよう。2024/08/19
ちゃちゃ
113
自分にも他人にも多くを望まず、気楽に気楽に、日々たんたんと生きたら十分やないの…。著者は執筆時89歳の現役の精神科医、フルタイムで病院勤務をされていたという。なんというバイタリティ!と恐れ入って読み始めたが、関西弁で優しく諭されるような癒やしの読書だった。他者とは適度な距離感を保ち、人や物に依存・執着せず、「一人」で生きる心の基盤を持つ。それはまさしく自立・自律・自足という人生の基本姿勢だ。常に目の前にある具体的なことに心を向けて「日々たんたん」と暮らす。それが人生の極意だと、エールをもらった気がした。2023/07/23
五右衛門
107
読了。日はまたのぼる。自分らしく。今の世の中色々なことを知った風に批評し、得意になっている人が多い中で自分らしく振舞うことが難しく少数派扱いされてしまう中で自分の人生は自分だけのものやと腹をくくる大事さを気づかされました。自分勝手とかではなく自分らしくです。これからは手の届くところにこの本を置いてちょいちょい再読していきたいです。普段の自分はブレブレなもんでね。2020/04/04
徒花
106
まあまあ。90歳目前(刊行当時)の著者が、読者に語りかけるように教えてくれる、気楽に生きるための指南書。ただ、半分くらいはこの企画を出版社に持ち込み、著者の話をまとめ上げたライターさんによるまとめや、著者の自伝的要素で構成されている。力が抜けるような文章で、たしかに読む人によっては気持ちが楽になるかも。2021/12/14
ベイマックス
103
人生の大先輩の実生活で得てこられた、人生論は納得しやすい。「そうだよな」って思うし、「そっか」とも思う。でも、「それが難しいんだよな」とか「それが出来ないから悩むんだよな」と凹んでしまった(笑)少しづつ少しづつ、その場面その場面で、思い出しながら、過ごしていければいいかな。こういう考え方・生き方もあるんだよなって思える、いい人生論でしたよ。2020/12/26