内容説明
旧作映画や往年の舞台で活躍した名脇役たち。かれらに関するたくさんの著書を古本の山から見つけ出す。知られざる素顔や、専門家顔負けの意外な分野での研究、波乱にとんだ生涯などを紹介する。加東大介、志村喬、古川緑波、芦田伸介、徳川夢声、浪花千栄子、伊藤雄之助、岸田森、若水ヤエ子など七十数人のバイプレーヤー、二百数十冊の本が大集合。単行本を大幅増補。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
この著者はまだ若いのにわたしと同じような年代の人かと間違えてしまいました。よくまあ古い俳優さんをご存知で私は読んでいて懐かしく感じました。映画や劇での脇役さんについて書かれた本を一堂に会しているような感じです。その本の紹介とその俳優さんについてのさまざまなエピソードなどなつかしく読ませてもらいました。昔は脇役さんでも存在感のある人が多かったような気がします。2018/09/10
kinkin
76
旧作映画やテレビ、舞台で活躍した名脇役たちに関する多数の著書がある。その本の中から著者が選んだ七十数人のバイプレーヤーの本が紹介されている。載っているすべての名前は知らなかったがそれでもやくざ映画や時代劇で何度も楽しませてくれた俳優が載っているのは嬉しかった、岸田森、小池朝雄、成田三樹夫、木村功、内田朝雄、天本英世etc。どんな映画やドラマでも主役だけで映画にならぬ。脇役の上手さや恐さが映画やテレビドラマの出来にも大いに関係するね。2019/04/02
ヨーイチ
38
こんな分厚い内容なのにあまり読んだ人が居ないのは、取り上げてある人々が古すぎるためか。最近70年代生まれの物書きが昭和以前の俳優を論じ、紹介した本が目立つ。「この人たち年齢を詐称してる!」ってくらいよく知っているのは、まぁ嬉しいことではある。回顧のためのツールが充実しているのは羨ましいと言うべきであろう。作者程では無いが、小生も「生まれる前の歌舞伎役者の舞台」を先輩達の話に合わせて、論じていた記録があるので、雰囲気は良く分かる。昭和は戦前もあり、人の歴史は大正、明治まで軽く届く。続き2018/05/10
gtn
22
黒澤監督「生きる」における伊藤雄之助の存在感を忘れかねている。著者も初めて買った「脇役本」は伊藤著のものだという。古本屋を回って入手し読んでみたい。2018/08/18
緋莢
14
図書館本。昭和の時代に映画や舞台で活躍した名脇役について書かれたもの、彼ら自身が書いた本を紹介しています。元本は平成17年に右文書院から刊行されているのですが、全部ではないものの「文庫追記」という形で追記のあるものや、19人分が文庫増補として追加されており、かなりのボリュームです。岸田森に関しては紹介されている内容は物足りなかったものの、武井崇『岸田森 夭逝の天才俳優・全記録』(洋泉社)が出ているのを知れたのは収穫でした(続く2019/02/02