内容説明
お園が、江戸に帰ってきた。だがその矢先、お園を待っていたのは、店の危機だった。近所にできた京料理屋“山源”に、留守にしている間に客を根こそぎとられてしまったのだ。しかも“山源”の板長・勘市は、「お客の心を癒すための料理」というお園の考えを強く否定した。だが、信念を曲げないお園は、お客と自らをも救う一品を作り出す。優しさ溢れる人情料理帖。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
31
縄のれん福寿シリーズ4作目。3作目で清次を追って旅に出て今回江戸へ帰ってきたのが20日ぶり。全て徒歩って怖い・・。その間、八兵衛夫婦が店を切り盛りしていたなんて江戸っ子の人情なのかなぁ。近所に京料理の店が出来て福寿は経営難に。福寿と女将を慕う人たちに助けられて困難に立ち向かう。相変わらずお節介な感じが「あ~、これこれ」って感じで思い出しながら読めた。まだまだシリーズ続きそう。2017/10/31
メルル
25
もうシリーズ四作目。旅も終わりようやく落ち着いて店を開けられると思ったのも束の間、問題発生。旅の間に店ではいろいろあったよう。まあ、素人に店を任せるというのはリスキーなのである。自分の店も大変なのに世話焼きのお園はやっぱりよろず相談を引き受ける。地域を問わずお園の舌は無敵。どんなにお堅い人でも唸らせる料理に感動。やっぱり店にいるお園の方が数段良い。料理と同じように登場人物にも味わいがあって楽しい。2017/12/27
たんぽぽ
20
縄のれん福寿シリーズ第4弾。 旅から戻って福寿再開。 客商売はインターバルがあると難しいね!と思うけど、心のこもった思いやり料理で客を増やしていく。 時代考証なんてあまり気にせず、気軽に楽しめる娯楽時代劇を見てる感じ。2019/05/10
まはな
11
(購入)えーと・・・なんかちょっとおせっかいすぎないかい?と思いながら読んでいました。そんなに首をツッコんでキレる人がいないところが時代なのか?それとも無理やりなのか・・・京料理と江戸料理なんて全く違うんだから京料理が仇のように扱うのもちょっと違和感あるし。女将もねじ込むように善意というおせっかいをすることにちょっと不自然さを感じました。次も購入しているのですが、なんか・・・なんか違うような気がしてきた。そしてこんなになんでも料理が再現できるなら別に京料理に負けないんじゃないの?2018/03/20
ううち
10
第4弾。客足が遠のいてしまったのを立て直すのは大変ですね。山源衆の京言葉は結構好き。 お園さんは相変わらずの世話焼きで、いい人ばかりだし、小説となると都合が良すぎるような気がして多少違和感があるものの、やっぱりこれはお園さんの人徳なのかしらん。2018/07/18