角川文庫<br> 阿Q正伝

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角川文庫
阿Q正伝

  • 著者名:魯迅【著者】/増田渉【訳】
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • KADOKAWA(2018/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041068533

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内容説明

貧しい農民の家に生まれた一人の人間を通し、当時の中国社会を風刺的に描く。辛亥革命の失敗点を痛烈に暴き、民族的決意を促し、文学史にその名を刻んだ代表作。ほかに、デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。解説/佐高信

[もくじ]
狂人日記
孔乙己
小さな事件
故郷
阿Q正伝
家鴨の喜劇
孤独者
藤野先生
眉間尺

後 記
解 説
魯迅略年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

36
阿Qは当時の中国の病態社会の中で、特にマイナスな面を不快に表出する代表的な人間だったのではないだろうか。それを魯迅はそのように生きても何もならん。目を覚ませと叱咤し、新しい生き方を見つけよっと。生へのこだわり、どう生きることが良いのか。2019/10/01

やまはるか

19
「狂人日記」は被害妄想狂者の日記、17ページの短編ながら深淵が口を開けていて引き込まれる。「阿Q正伝」は土地神の祠を寝床に、農家の手伝いで暮らす主人公が無実の強盗の嫌疑をかけられて処刑されるまでを描く。車に乗せられて引き回されている時に「人生天地の間、多分、時には首を斬られねばならぬこともあるだろう」と諦めつつ「人生天地の間、多分、時には引き回しにされて見せしめにされねばならぬこともあるだろう」と、死刑を逃れることに微かな希望を抱いたりする。一読では終われない気がするが、再読して少しは納得できるだろうか?2023/02/11

まめこ

14
★★★★☆みんなが私を食おうとしている…被害妄想狂が書き記した「狂人日記」。人を食うことを批判して狂人扱いされるが、今は治癒したということは…つまり彼も?ご都合主義でプライドだけはやたら高いその日暮らしの阿Qの生涯「阿Q正伝」。革命党に入れなかったのに、革命党にされてしまった阿Q。古い慣習を皮肉る作品が多い。希望を路に例えたラストが切ない「故郷」歩く人が増えて路ができるのだ。2019/04/30

かんがく

13
清から中華民国へと変わる近代中国。普通に読みやすくて面白かったが、示唆しているところは捉えきれなかった気がする。2020/01/26

ホシ

9
魯迅が生きた時代の人々の息づかいを知らない私にとって、本書を解するのは困難でした。ただ、後記や解説を読んで、魯迅が記そうとした事の輪郭をおぼろげに見たように思います。格差社会が叫ばれて久しい現代にあって魯迅は中国や日本に限らず、私たちがきちんと向き合いたい作家かもしれません。現在、虐げられた人々が声を上げたところで、容易に社会は変わらないでしょう。「努力」が容易に報われない現実であるからこその「絶えず刻む」努力。政治的イデオロギーを超えて、その意味を卑屈にならず考えることを魯迅は提示したのかなと思います。2018/09/24

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