内容説明
朱温は奴僕の身ながら、謎の男・李我に武術と兵法を学び始める。彼は唐王朝への反乱軍・黄巣の乱に参加して頭角をあらわし、やがて後梁を建国して皇帝の座を手に入れるのだが……。朱全忠の一生を描ききった、著者渾身の中国歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
25
唐朝末期、後に五代十国と言われる混乱期の英傑の一人、朱温(またの名朱全忠)の一代記(でいいのかな?)。あまり知識がなく、平民あがりで冷酷な人物って印象だけで読み始めたら、あらら・・・健気で下積みもしっかり頑張ってるじゃないの、と好印象の前半。しかし、黄巣の乱が始まり、とある事件をきっかけに感情が面に出なくなって以降、急に本の語り口が戦記風に・・・最初は戸惑いましたが、大量の人名・地名が洪水のように出てくる割には不思議と読みづらさを感じない。何でだろ?と首を傾げつつも引き込まれ、下巻に進みます。2010/10/31
魔魔男爵
3
愛する家族の為ではなくて他人の夢を背負って戦う朱温がデラかっちょええ!愛を求めない彼が妻にしたのは、諸葛孔明の妻のような不細工で知的な女性なのも素晴しい!家庭の団欒などは無く妻との会話は戦略会議のみのかっちょよさ!孔明以上に信賞必罰がシビアで凄い。戦に強い武将だが、卑怯な暗殺作戦も建てる悪の魅力もありますよ。曹操+諸葛孔明のような凄い英雄が朱温!(褒め過ぎか?)2009/10/19
P-man
1
中国史の有名人だが中国史かじってない日本人はあまり知らない朱全忠。上巻だけで550P超え。青年期まではどこか爽やかなんですが後半では現在にまで伝わるダーティさが出てくる。うーん冷血で悪いやつ。これでまだ皇帝殺しも白馬の禍も持ち越しなんだよなあ。五代十国時代に入ると人名や地名やらが入り乱れて読むのはちょっとしんどい。それにしても秦宗権はすごいですね。2023/11/03
ケロたん
1
初読み作家さん。五代十国の朱全忠の半生。しかし中国史はエゲツない。掠奪、殺人、強姦、人食なんでもあり。日本の戦国時代が幼稚園と思えるわ。人食は1960年代まで普通に見られたと聞くし。2020/11/12
うたまる
1
「どう見ようとそれは見る人間の心がけ次第ちゃうか。仏にも鬼にも見えるんやわ。もちろん弥勒菩薩とやらにもなれる。朱温君、君は何になりたい?」……唐末から五代十国にかけての梟雄、朱全忠(温)の一代記。決して戦上手ではない彼の成功メソッドとは、目的に対し最短距離を行く合理性。それは内においては峻烈な刑罰と粛清であり、外においては卑怯な謀略と裏切りだった。これって中国史に限らず、世界史でもよく見られる皮肉なテーゼだよね。人徳や人望を称えられる敗者になりたいのか、恐怖や憎悪で厭われる勝者になりたいのか。2017/11/20
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