内容説明
朱温は奴僕の身ながら、謎の男・李我に武術と兵法を学び始める。彼は唐王朝への反乱軍・黄巣の乱に参加して頭角をあらわし、やがて後梁を建国して皇帝の座を手に入れるのだが……。朱全忠の一生を描ききった、著者渾身の中国歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
64
主人公より敵役の方が格好いい!五代十国の始まりを描いた歴史大長編で人物多数、地名も多数。巻末の地図が殆ど役に立たないのは残念でした。でも歴史物を読んだという満足感はあったな。2019/04/14
アイゼナハ@灯れ松明の火
28
いやー、中華は広く英雄は多い!と思わず言いたくなってしまう程の一大乱世絵巻。これほど名前も知らない登場人物が出てきてるのに読みやすく感じるのは、蘊蓄をかまさずにキャラづけをしっかりした上で、物語にのっけてるからかしら?よく噛み砕いてあるなーと感心します(詳しい知識もないのに何故上から目線!?)。朱温には優しい結末のつけ方だったかな、と言いつつ、淮南の楊行密に肩入れしながら読んでた事実は否めない(苦笑)。「俺が助けてやらなきゃ」って部下に思ってもらえるのは幸せだよねー。乱世に謙虚さで地位を保つって立派だわ。2010/11/01
葉月あき
4
『夕陽の梨』を読んだときは、この人の「その後」を書くのは難しいだろうなぁと思ったけれど、なかなか。五代を扱った貴重な小説ということで、楽しんだ。とそれにしても、私は晋王陣営が好きすぎる(李克用たちが活躍するたびにひゃっほうとなった)2009/10/08
wei xian tiang
3
下巻から読み始めるが、李克用と朱全忠の対立が固定化したところで、違和感なく読み進められた。会話文が現代的で、もう一練りしてほしい所だが、両雄のキャラクターの対照化に成功しておりまずまずの面白さ(もちろん十八史略の下敷きあってのことだが)。2015/01/20
getsuki
2
朱温の暴走がどんどん加速していく様が晩年の豊臣秀吉とかぶったのは私だけだろうか。感情を押し込めた分、彼は静かに狂っていったのかと思うと居たたまれない。2011/04/16