内容説明
ウィルス感染か、他国やテロリストによるサイバー攻撃か? 都市機能を失ったマンハッタンでは予想外の事態が次々と勃発。警察や消防も活動停止を余儀なくされ、街は無法地帯と化す。食料や生活必需物資も不足するなか、ついには疫病の蔓延を懸念した政府によりマンハッタンは住民もろとも封鎖された! マンションに籠城したマイクたちは、街からの脱出を決意する……文明社会が潜在的に抱える危機を描き出す渾身の一作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
31
登場人物と同じく「まさかこれ以上悪くはならないだろう?」という意識を抱えているからこそ、ここまでの恐怖を味わうのだろう。きらびやかな表紙からは想像もつかないほどに凄絶な作品だった。最後は少しばかり綺麗に終わりすぎている感もあるが、それでも終末もの小説としては傑作。屈強で傲慢なサイバー大国アメリカに住む人々を打ちのめすような恐ろしい小説だろう。インフラ停止による被害は数あれど、情報の欠如ほど人々に不安と恐慌を与えるものはないのかもしれない。2018/04/21
まうやお
4
ネットワークがダウンするとすべての情報が手に入らなくなる、というのも至上主義にすぎないかとも思いましたが、インフラ停止で外部からの支援も復旧の情報もない状況では、どうしたらいいんでしょうね。桜田大臣が読んだらどういう感想を持つのでしょう?2018/11/26
藤中恭美
4
あまりの絶望的な設定にこれで物語の収拾がつくのかと思っていたら意外に付いた(笑) ま、危機はインフラだけで、ゾンビが出ているわけでもないからね ★★★☆2018/08/06
レイス
3
パニック物、なんか好き。そこにはやはりサイエンスが絡んでいるから。サイバー攻撃でネットがダウンしてしまうとそこまで都市が麻痺してしまうか。この場合、悪天候という不運と、水道管の老朽化という物理的弱点もあるけど。都会が機能不全に陥るというのは面白い。情報がない、あっても真偽が分からないというのは痛い。そんな時、意外なスマホの使い方もあるというのは新鮮だった。私も買おうかなとちょっと思った。2020/04/20
藤猪 誠太
3
ようやく読み終わりました。決して長い作品ではないのですが、いかんせん時間がなく長くかかってしまいました。ニューヨークをメインの舞台として、現代社会で大規模なサイバー災害が起きたどうなるのかを描いた作品。いわゆるパニック系のサバイバルものです。サイバー関係のことなど詳しくはいまいち理解できないことも多かったですが、それが逆に物語の世界に入り込むのを助けてくれました。予備校の帰りに読むことが多く、疲れていてお腹も減っていたので余計に臨場感がありましたwとても面白かったです。2018/08/11