内容説明
■ピュリツァー賞を3度受賞した世界的ジャーナリストが放つ、全米大ベストセラー!
■1970年代から2000年代初頭にかけて高賃金で中スキルの仕事がなくなり、ミドルクラスが消えた。
グローバリゼーションとテクノロジーが、必須スキルのレベルを引き上げたのだ。
大人になるまで学校に通って「勉強はおしまい」という時代は、もう戻ってこない。
生涯にわたって稼ぐ能力を維持するには、一生学びつづけなければならないのだ。
■協力、共感、柔軟性といったロボットに欠けたスキルを身につけ、人並みに暮らすにはどうしたらいいのか?
人間がAIの力を借りて、もっと生産的で豊かになるような未来を描くには、どうしたらいいのか?
■私たちは移行期にいる。容易ならざる環境だ。
だが人類はこういう移行を何度も行なってきたし、今回もできると確信している。
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ビジネス書三昧本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
31
ITメインの上巻と随分異なり、人・信がメイン。著者は国家間戦争は減少、紛争増加で難民と経済移民の増加を指摘する。その原因を国民のニーズに対する国家のキャパ不足とする。そのため秩序と仕事を求め人の移動に繋がる。しかし著者は安易な受入議論をしない。多様性をキーに他者関係がなくただ多様性のみでは社会の緊張は増大するという。更に孤立ではなく双方の関係性で違いを維持するには、Fフクヤマの書籍に言及し、信を核とする社会関係資本を指摘する。その上でジョナサンHを引用し受入は「社会内外の関係と義務のバランス」とまとめる。2019/10/29
Tui
30
テクノロジー進化に対する著者の楽観さに、いまいち納得しきれなかった上巻。でも下巻を読み、著者の真意を理解できた。いまの世界の問題点だけでなく、その解決法が明確に示されている。私たちにできるやり方で。それは、周りとの繋がりを作ること。著者の育ったミネソタ州セントルイスパークの事例に、下巻の大部分を割いている。多様性を受け入れつつ地域の繋がりを維持する労力は計り知れない。それでも、健全なコミュニティに属している実感や、寛容さを良しとするアメリカの底力を感じた。著者の楽観性は、故郷の素晴らしさからきていたのだ。2018/12/14
踊る猫
29
トーマス・フリードマンという人は、意外と「保守」なのかなと思われた。テクノロジーの進歩をジャーナリストよろしく手堅く報告してくれる一方で、その進歩がコミュニティを壊す可能性やもしくはコミュニティに潜在する可能性についても触れられており、日本における中島岳志のような「リベラル保守」とも相性が良いのではないかと思われたのだ。楽観主義を貫く一方で(アメリカを中心にし過ぎている感もあるが)、シビアな現実も見据えており読み応えはある。そして平たい文体でこちらをスイスイと引っ張って行く。個人的に元気を貰えたように思う2018/12/21
koji
20
2007年を境に「加速の時代」に突入したとする上巻の論調が続くかと思いきや、12章から著者の故郷ミネソタに戻り、著者の来歴と共にアメリカの良さを再考する旅で締めくくります。驚きの展開ですが、当然2016大統領選挙におけるトランプ大統領の登場で破壊されつつあるアメリカへの危機感があるわけで、「団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにするスキルとチャンスを得るのを手助けしている地域やコミュニティ」がアメリカを偉大にするという主張は、民主主義の進展が「加速の時代」にも通用するという普遍的な考えと映りました2018/12/31
naotan
17
どこの国も大変なんだなあ、とても他人ごとではない。子育てを頑張ろうと思った。2021/10/14




