ブルーバックス<br> もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」

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ブルーバックス
もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」

  • ISBN:9784065020548

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内容説明

何十年もの間、グリア細胞は精神を気泡で包む梱包材のようなもので、物理的、栄養的にニューロンを支える接合組織にすぎないと見なされてきた。しかし、脳科学の進歩により、単なる「接合組織」にすぎないとみなされてきたグリア細胞が、ニューロンなどを支配し、さまざまな精神活動に関与してきたことが明らかになってきた。最新の脳科学においてコペルニクス的な展開を見せる「もうひとつの脳」グリア細胞の謎に迫る

目次

第1部 もう一つの脳の発見
1章 グリア細胞とは何か ― 梱包財か、優れた接着剤か
2章 脳の中を覗く ― 脳を構成する細胞群
3章 「もうひとつの脳」からの信号伝達 ― グリアは心を読んで制御している
第2部 健康と病気におけるグリア
4章 脳腫瘍 ― ニューロンはほぼ無関係
5章 脳と脊髄の傷害
6章 感染
7章 心の健康(メンタルヘルス) ― グリア、精神疾患の隠れた相棒
8章 神経変性疾患
9章 グリアと痛み ― 恩恵と災禍
10章 グリアと薬物中毒 ― ニューロンとグリアの依存関係
11章 母親と子供
12章 老化 ― グリアは絶えゆく光に抗って奮い立つ
第3部 思考と記憶におけるグリア
13章 「もうひとつの脳」の心 ― 意識と無意識を制御するグリア
14章 ニューロンを超えた記憶と脳の力
15章 シナプスを越えた思考
16章 未来に向けて ― 新しい脳

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

114
2018/4/23 Amazonより届く。 2019/9/9〜9/17 もう一つの脳とは、ニューロンの陰に隠れてオマケ的に考えられていたグリア細胞のこと。不勉強なことに、こんなことになっているとは知らなかった。実に面白い。脳はまだまだ我々に全貌を見せてくれてはいないんだなぁ。2019/09/17

アキ

42
もうひとつの脳とは神経膠(グリア)細胞のこと。脳に1000億個ある神経細胞は脳の15%のみ。より多くの部位を占めるグリア細胞は「支持細胞」と呼ばれ注目されてこなかった。しかし近年ニューロンの働きにグリア細胞がかなり重要な役割があることがわかってきた。脳は電気活動が情報の伝達を担っており、グリア細胞はイオンチャンネルに働きかけ電気活動に影響を及ぼす。またシナプス周囲で神経伝達物質を取り込んだり放出したりしてシナプス伝達を調整する。ニューロン間の情報伝達、つまり脳の働きをグリアはコントロールしていたのだ!2019/03/12

やいっち

30
ニューロン至上主義から、グリア細胞などニューロン以外を含めた脳の働き全般へ。従来、脳の潜在能力の一割ほどしか使われていない、という根拠のない説が喧伝されていた。が、それはとんでもない間違いない。ニューロンの活動しか観察研究して来なかったから(ニューロンにしか目が向かなかった)。近年は違う。眠れる(せいぜいニューロンを包む梱包材とされてきた)グリア細胞などが、常に活動している。睡眠中も。この頃、健全な睡眠の大切さがテレビでも話題になることが増えてきたが、その理由も説かれている。2018/06/05

禿童子

29
ニューロンに比べてぱっとしない裏方「グリア細胞」の実態を詳細に述べた本。いろいろためになる情報が得られるが、500ページ超というボリュームを読み通せなかった。要再読。2019/09/13

樋口佳之

25
私たちの脳の活動には、速断を要する直感的な思考とそれに伴う速い反応、さらには深い思索、意識や感情、情緒のような緩やかに展開する生理過程が共存していて、前者はニューロンの得意とする機能であり、後者の穏やかで奥深い応答がグリアの主導する守備範囲であるとするのが、本書を通底している著者の根本的な思想のようである。訳者あとがき/このグリアモデルとAIの関わりとか気になる内容でした。依然わからない事が大きい分野なのでしょう。2019/03/03

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