出版社内容情報
奉公所の目が届かない庶民の人情と事情を把握する集団・百眼と見かけは軽薄な若旦那・三四郎が事件の裏で活躍するシリーズ第1弾。
内容説明
江戸幕府以来の特権町人「町年寄」樽屋の新当主は、二十三歳の熱血漢・三四郎。時の将軍・吉宗から「百眼をよろしく頼む」を謎の言葉をかけられたが―庶民の事情をすくい上げて事件の予兆を捉え智恵と人情で問題を解決する。時には権力に逆らいながらも江戸の町の安泰を図る三四郎の活躍を描く書き下ろし時代小説、第一弾。
著者等紹介
井川香四郎[イカワコウシロウ]
1957年、愛媛県生まれ。中央大学卒業。脚本家として「銭形平次」「暴れん坊将軍」「八丁堀の七人」などの作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みちゃこ@灯れ松明の火
7
本屋で、この本に出会いながらいつか読もうって毎度思っていてとうとう着手しました。井川作品はカッコいいから好き。三四郎の登場の仕方はまさにスター(笑)。出来すぎ?と思ってしまうところもあるけどそこが良い‼️と思ってしまう。何となく木村拓哉のHEROを彷彿とさせるような…。私は「とっかえべえ」が好き。2016/05/05
klu
5
大岡越前を前にして凄いヤリ手ですね。東京都の副知事に当たるポストになるらしいけれど・・・もう少し読んでいってみようかな2015/06/18
onasu
5
畠中恵の「まんまこい」シリーズに近いかな、と読み始めましたが、こちらの方が、舞台は大掛かりです。 物語は痛快で、文章もテンポ良く、サクサクと読めました。折り返しの著者紹介で、時代劇の脚本家さんとインプットされたせいか、画像がイメージし易く、一話完結てな印象も残ります。 他の方のコメントにもありましたが、三四郎の手筈が良すぎます。それも、描かれていないところで。 シリーズもののようなので、次作もとりあえずは読んでみましょう。2011/11/10
だいしょう@SR推進委員会
5
時代小説の中に時折登場する「町年寄」。世襲制の副知事みたいなものでしょうか。主人公はその三家の若き当主。まっすぐで頭もきれて、腕もたつ。出来すぎな感はありますが、町民のために奔走する姿は心動きます。いろいろな伏線も適度で、これからが楽しみです。ストーリーはありきたりですが、「町年寄」が斬新さを添えてます。2011/09/22
みかりん
4
井川さん発読み作家さん。父の後を継いで町年寄樽屋の藤左衛門こと三四郎。しかし裏の顔の百眼という仕事が。怪しい動きを見せる者を調べて事件を未然に防ぐ。面白かった。こういう人情物大好きです。三四郎は身分が上のものにも間違いは間違いとハッキリ言う。なんてカッコイイのでしょう。シリーズ物なので続きも読みたいです。2022/09/01