内容説明
父を救え! 消息を絶った父の行方を追って、清七は飛騨、そして伊豆へ。
江戸の切り絵図屋・清七を主人公に描かれる、書き下ろし時代小説シリーズ第5弾。
絵双紙本屋「紀の字屋」が軌道に乗り、町人として充実した日々を過ごしていた清七。
勘定組頭の父・長谷半左衛門が勘定奉行・谷田部貞勝の不正を暴くため、秘密裏に旅に出ていたが、2カ月が過ぎても戻らず、その身を案じている。
そんなあるとき、父が半月前に飛騨で何者かに襲われ、消息を断ったという報せが入る。
しかも父の護衛についていた弁十郎は命を落し、財布と遺髪が届けられていた。
父の無事を確かめられるのは自分しかいない。切り絵図屋は、仲間の小平次・与一郎・おゆりらにまかせ、供のものをつれて、清七は飛騨へ向かう。飛騨で、不正に伐採された山、背後に潜む材木商と役人の悪を目の当たりにした清七は、なんとか父の消息をたどろうとする――。
江戸を離れ、舞台は飛騨、そして伊豆へ。切り絵図屋のエピソードも並行しつつ、清七が自ら父を探し、また疎遠だった継母・実兄との関係を修復していく過程が描かれる、待望の第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
18
清七より清七郎としての活動が中心となっている。長谷家の次男としての居場所もできたし、兄夫婦も何とかうまくまとまりそうだし…よかったよかった。でも、切り絵図屋としての活動の方が興味深い読者にとってはなんとなく物足りなかったかも。2018/09/04
ぶんぶん
14
【図書館】切り絵図屋シリーズも早、第5弾、遂に勘定奉行不正が明るみに。 飛騨へ不正の証拠を探しに行った、父の消息が分からなくなった。 父を助ける為、清七は急遽、飛騨路に急ぐ。 今回、諸々の事が落ち着く感じだが、終わりが近いのだろうか、まさか、これで終わりでは無いですよね。 アクションを重視したせいか切絵図屋の仕事が疎かになっているようですが、大丈夫かな。 本作は筋書きが良くサクサクと進む、あっという間に読み切りました。 助っ人も良い時に現れ、良いアクセントになりました。 これが、藤原氏の世界だなぁ。2018/08/28
タカシ
3
切り絵図屋清七5巻、谷田部の不正を調査していた長谷半左衛門が襲われ消息不明に清七は父を探しに出立するが、、、谷田部事件のクライマックス最後はあっさりでしたが面白かったですね。2022/07/18
goodchoice
3
今回は清七が父の捜索に飛騨に行くという、舞台が江戸から離れ、その分ダイナミックな面白さがあった。江戸の切り絵図という本題からは離れていたが、たまにはこういうのもありでしょう。2018/05/17
Suzu
2
切り絵図屋清七シリーズ第5弾。舞台は江戸から飛騨へ。勘定奉行谷田部の不正の証拠を掴むため飛騨に行った父が行方不明に。清七は父を探しに飛騨へと向かう。そんな中、多加が亡くなる。最期にこれまでの後悔と今後は市之進、清七郎ふたりで支え合い助け合って生きろと遺言する。記憶喪失の桑井はすんなり江戸に戻れるのか?そして物語は切り絵図屋としての日常が戻るのか?そして次巻を待つ。2018/09/02