内容説明
遠藤周作や北杜夫、開高健ら、珍友・奇人を道連れに、異国の鉄道を乗りまくる。著者ならではの、ユーモアと臨場感が満載の漫遊紀行の歴史的名作。全20篇を網羅した完全版。上巻は「欧州畸人特急」から「最終オリエント急行」までの10篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
10
内田百閒を敬愛する著者が1975〜77年にかけて世界各国の汽車や電車に乗ったさまを軽妙に綴るエッセイ集。フランス〜ベルギー、マダガスカル、タンザニア、カナダ、台湾、スコットランド〜イングランド、スペイン〜モロッコ、チュニジア、イタリア、ギリシア、米国(フロリダ)、巻末ではオリエント急行に乗り、スイスのチューリヒからオーストリア〜ユーゴスラビア〜ブルガリアを経てトルコのイスタンブールまで旅する。国鉄が蒸気機関車を1975年に廃止したことを本書を読んで知った。北杜夫夫妻や遠藤周作、阿川の息子も出てきて楽しい。2020/04/01
さっと
8
阿川さんの乗り物エッセイはいろいろ読んできたけど、各出版社から出ていたシリーズをまとめた完全版が出たということでいよいよ内田百閒の衣鉢を継いだ南蛮阿房列車へ。『鉄道大バザール』の訳文では自身の英語を「汽車ぽっぽイングリッシュ」と謙遜し、本編でも同行した留学中のご子息からツッコミが入っているものの、単独でカナダの峡谷アガワに降り立つなど異国であることを忘れさせるぐらいにフットワークは軽くおしゃべりも弾む。汽笛やレール音のオノマトペ、ダジャレのように発音の似ている日本語に置き換える言葉遊びがおもしろい。2020/07/19
たつや
4
図書館にて、新編の文庫版を借りる。阿川佐和子さんの御父上、怖いイメージがあるが、文章は上手く、心地良く列車旅のお供が出来ました。海外の電車でなく列車旅というのが、おつでした。「鮨」という短編も電車出てきましたね。先生は本当に汽車が好きなんですね。他の本も読みたくなった。2023/04/24
kiiseegen
3
前々から古書で入手しようと思っていたが、新刊、完全版で読めるとは...嬉しい限り。下巻へ。2018/01/28
Kazuyuki Koishikawa
1
ただ電車に乗るだけしてトゥールーズまで行ってそこから飛行機で戻るのひょうげてる。 agawaという何もない駅で待つとか、ローカル線で降りて次の列車が来る待つ感覚とか分かる。2022/05/01
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