内容説明
財界の頂点と徒手空拳の宗教家。国を憂う気持ちは同じでも、團と日昭の立場はあまりに対照的だった。戦争、震災を経て、社会不安が広がった時代に、日昭は革命を目指して「一人一殺」を掲げ、体制の象徴・琢磨を狙う。吉川英治文学新人賞&大藪春彦賞受賞作家が、近代日本の転換点となった大事件を描き尽くす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
348
団は経済界の重鎮として日々を過ごしているのですが、いよいよ日召の暗殺計画が進行します。架空の人物らしい三池炭鉱で団と親しくしていた炭鉱夫の組頭(上巻)、その息子、ジャーナリストが結構出演の場面が多い。感動する場面に彼らが使われるので、素直に感じる事が出来ませんでした。団と日召を語るのに、作者にとっては必要な事だったのでしょうが、どうもね。もっと団に密着し、理解不能な日召さんの話は控えめで進めてもらいたかったかな。個人的な好みの問題です。2026/05/27
p-man
13
この国を憂いた男二人の物語。一人は経済界のトップに立ち、そこからこの国を動かそうとした男。もう一人は、常人とは異なる感性を持ち宗教に寄り添い、そこからの変革を望んだ男。やがて、テロの首謀者と被害者になる二人の生き様が、日本の近代化に不可欠な炭鉱という一つのキーワードを軸に語られる。光陰。方法論はともあれ、熱い思いを持った男たちの生き様が、かっこよかった。2018/05/18
z1000r
10
非常におもしろかった。 戦中の有名軍人もちらほら出てきて、近代史の流れとしてみても興味深かった、史実かどうかは?だが団はリットン調査団の接待も担当したのか?2021/12/26
ryohey_novels
6
中盤以降、日召側の雰囲気がガラリと変わり、革命家として扇動していく姿には心ならずもカリスマ性が感じられた。決して共感はできないが、革命に無駄な被害を出してはいけないという信念と冷静な態度が魅力を放っていたのだろう。下巻に関しては團側よりも日召側の方が興味深かった。この2人に加え、富士隈、山海駒吉の4人の視点が回転していく終盤は、結末は分かっているのに先を追いたくなる緊張感と疾走感があり、作者の技量の高さを感じた。驚いたのは、彼らテロリストが皆終戦後も生き続けたこと。團目線では酷いバッドエンドと言えるか。2025/04/25
金吾
4
光と陰という対比は上手いと感じました。しかし最後まで日召に共感することはできませんでした。2020/01/05
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