内容説明
福岡藩士の子として生まれた團(だん)琢磨(たくま)は、明治初期の米国MIT留学で鉱山学を修め、苦難の末に三井三池炭鉱の基礎を築く。群馬の山村に生まれ、悩み深き青春時代を過ごした井上四郎(日召(にっしょう))は、新天地を求めて満州に渡る。まるで光と影のような二つの熱い魂が、「近代日本の悲劇」を引き起こすまで──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
362
明治から昭和初期に掛けての、三井財閥総裁団琢磨と血盟団事件を起こす井上日召(ニッショウ)の物語。ふたりのパートは交互に語られるが、年齢差が28あり生きている階層も場所も違い、二人が顔を合わせることはない。テロリストに殺された団、原因を作った日召。大正から昭和初期の雰囲気を語るには、団ひとりでは足りなかったのか。確かに団の周辺では語れない民衆、軍、社会運動家らの動向。日召が適任だったものか。日召は突然悟達し蛇に説法したり、病人に触れて直したりとかなりスピリチュアルで、テロ集団の頭目としては異質だった。2026/05/23
z1000r
10
先日訪れた大牟田で、気になった人物2人が出てくる。架空の人物も出てくるようだが、史実を下敷きにしているようだ。 凄くおもしろい。2021/12/19
ryohey_novels
6
團琢磨〜福岡に生まれ、三池炭坑、ひいては近代日本工業の基礎を築いた三井物産総師。炭抗の町で生まれた私としては、この男を描いた本作を読まなかったことに恥ずべき思いに駆られた。物語は青年期の米国時代、出立期の三池時代を描き、彼の熱意と何より誠実さが周囲を動かし成功を遂げていくのが心地良い。もう1つの特徴は團を暗殺する井上日召を並行して描く点。正直、この汚く意地悪な男への嫌悪が拭いきれない。あえて対照的に描くことで團をより魅了的にしているとも言えなくないが。この二項対立が最後にどういう効果を生むのかは注目。2025/03/14
金吾
4
団琢磨と井上日召という名前は有名ですが、よく知らない人物が主人公であり、期待値は高いです。今のところ団琢磨は面白いですが、井上日召はただのマッチポンプで信用できない人物に見えます。下巻に期待します。2020/01/05
栄養満点ナス
3
図書館でふと手に取った本。二人の登場人物それぞれの生きざまを見る感じだった。少し話のテンポが速い気もするが、飽きずに読める点ではよいのかなと思った。この先の展開が気になる。2021/12/21




