日本経済新聞出版<br> 「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史

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日本経済新聞出版
「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史

  • ISBN:9784532197698

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内容説明

明日の日本はどうなる?
国家の繁栄が、社会・政治・経済・軍事に与える影響を考察する

「私有財産権」「科学的合理主義」「資本市場」「輸送・通信手段」――これら4条件がそろった国では爆発的な勢いの経済成長が始まり、国民生活の「豊かさ」も大きく引き上がる。19世紀初頭に始まる西洋諸国の勃興から、戦前・戦後における日本の驚異的な成長、そしてイスラム諸国の停滞の原因に至るまでを、壮大なスケールで描き出した文明史。

第2部では、4つの要素がいつ、どのようにして作用するようになったかを述べる。まずはオランダで、次にイギリス、アメリカで相互作用が起こり、その後残りのヨーロッパと日本が続き、最後に日本以外の東アジア、という順番だ。それぞれの事例を分析することで、4要素がすべて揃わないかぎり、国が繁栄することはないということを明らかにする。

第3部では、豊かさの誕生に端を発する個人間、国家間の富の格差がどのような社会的、政治的、経済的、軍事的帰結をもたらしているかを徹底的に考察。経済成長が行き着く先の未来に何が待ち受けているかにも想像をめぐらせている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

131
下巻では、最初にオランダ、イギリスの隆盛を述べ、そのあとにキャッチアップした国々として、フランス、スペイン、日本について分析しています。またイスラム文明の衰退、ラテンアメリカについても触れられています。最後は豊かさのもたらすものとしての、力の入った論考がなされていてわたしには非常に参考になりました。2016/12/15

アナクマ

30
著者の母「お金では幸せは買えないが、お金があれば居心地のよい場所で苦しむことができる」◉11章_成長か平等か。まず、私有財産制(と再配分)以外はありえないのだと。ここ200年の先進諸国は、その執行コストとのバランスを不断に試行し続けている状態。どちらに傾くとどうなったか、を綴る(イギリスやアメリカでさえ革命一歩手前まで煮詰まったことがある)。その上で、ピケティの結論は穏やか過ぎると言う。◉途上国への支援については紙幅は短いが、法の支配の確立を挙げる。「円熟した制度」こそが援助の浪費を防ぐ。倣おう。2021/01/12

アナクマ

28
原著04年。豊かさの源泉を分析する本。10章_宗教・イデオロギー・民主主義と豊かさとの関係について。「繁栄は民主化をもたらすかもしれないが、民主化そのものは繁栄を約束しない」民主化は繁栄の一世代後に来るという。なるほど彼の国が焦りだす理由? ◉幸福度は、経済状況・雇用・健康・家族状態に依る。矛盾ととれる記述もあれど、結論は「幸福はお金で買えるが、それは相対的なもの」。つまり絶対的貧困と相対的貧困の違いを考えなさいと。まーね、昔の殿様よりも良い生活してるし、今日も雪見だいふくが美味かったし。2023/03/27

壱萬参仟縁

21
金利の決め手で最重要なのは、借り手の信用力(26頁)。重要なのは、労働者が食べ物と家賃を払った後に、新しい製品を買うだけの金が手元に残らねばならない点(39頁~)。囲い込みの本質:何世代も同じ土地を耕してきた農家に、所有権を与えるもので、小農は増加(43頁)。分業こそ技術革新を富に転換する機械(46頁)。勤勉革命:最も効率よい仕事に特化し、そこで得た現金で生活必需品を購入(ヴリース命名55頁)。経済の繁栄は民主主義を刺激するが、逆はない(132頁)。2015/07/10

MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

18
2006年8月刊行の15年前の本なので、今と格差や温暖化などの諸問題の状況が異なると思うが、過去400年の経済成長は次の4要素が揃ったことが要因らしい ・私有財産権(知的財産権、市民の自由、公平な税制) ・科学的合理主義 ・幅広く誰でもが投資できるような近代的資本主義市場 ・通信手段と輸送手段 今後、これら要素のどれかが欠けてルネッサンス以前の中世暗黒時代にならないかと、ちょっと心配2021/06/20

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