内容説明
学校,診察室,地域などの現場で,子どものいのち,育ち,こころ,そして生きづらさに真摯に寄りそい,支える13人が自らの仕事を率直に語る.仕事の喜びや意義だけでなく,難しさや,苦しみ,迷いも伝えることで,この仕事を目指す若者ばかりでなく,生き方に悩む人たちにとっても大きな励ましとなる一冊.
目次
目 次
はじめに 汐見稔幸
1 いのちに寄りそう
いのちの現場からのメッセージ──あなたが持つ生きる力 鈴木せい子
僕は小児科医 細谷亮太
2 育ちに寄りそう
泣いて笑って育ちあう 井桁容子
子どもとともに学び、生きるって、幸せ! 金森俊朗
子どもとともに育つ伴走者 渡辺恵津子
人生の「土台」づくりにかかわる 宮下 聡
それでもがっぷり受け止めたい 片山恵子
3 心に寄りそう
思春期と育ちあう 金子由美子
子どもたちを支え、支えられ──スクールソーシャルワークという仕事 山下英三郎
「自分づくり」のサポーター 橋本早苗
不登校の子どものためのもう一つの小さな学校 佐藤洋作
4 生きづらさに寄りそう
非行は自立への一里塚 浅川道雄
子どもの人権救済活動──いじめ・虐待・少年非行の現場で 坪井節子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
344
助産師、小児科医、保育士、小中学校教諭から弁護士まで、いずれも最前線で子どもに直接かかわる仕事に携わる13人の人たちからの報告集。いずれも、その道のヴェテラン揃いであり、この人たちの長年の経験と研鑽に裏打ちされた言葉は重い。例えば冒頭の助産師、鈴木せい子さんは、すべての人が今ここにある奇跡を語る。我々がこうして存在することは、当たり前のようだが、実は生まれるまでに数々の試練を突破してきたことを語る。そして、これら13人に共通するのは、子どもを総体としてではなく、常にいつも「個」として向き合っていることだ。2018/05/17
ぐっち
24
汐見稔幸さんおすすめジュニア新書5冊目。これはご本人が編者です。子どものほぼ全員にかかわる助産師・小児科医・保育士・教師から始まって、塾の先生、学童の設立者、そして保健室の先生、スクールカウンセラー、最後は弁護士までだんだんかかわる子どもが少なく、そして深刻になっていきます。どの子も最初は希望を持って生まれてきたということ、そして、これだけかかわってくれる人がいれば、希望はまた持てるということ。全力でかかわってこられた皆さんの姿勢に心を打たれます。手に取る機会があればぜひ読んでいただきたいです!!2013/03/24
毛利武良
13
☆☆☆☆ 期待以上。子どもに関わる仕事を知りたい子ども向けかと思いきや、子育てを終えた親や教職員も読める内容で満足。子どもにかかわる様々な仕事をしている13人の文章を編んだ本。2022/06/11
よし
7
書名のとおり「子どもにかかわる仕事」に携わっている人たちの体験談をまとめた本です。子ども達が育っていくうえで、助産師や小児科医、教師、学童クラブ指導員やスクールカウンセラーなど様々な人たちに支えられていることに驚かされます。また、こうした仕事を選んだ理由がそれぞれの生い立ちに深く関わっていることが分かります。「よりよい未来を作りたい」という信念を持って仕事をしている大人たちがこんなにいるということを知れば、子ども達も勇気づけられると思います。2011/08/24
ちー
6
13人のこどもに関わる仕事に就く人の言葉を集めたもの。自分の仕事はどんなものであるのか、またその仕事に就く切っ掛けになったこと。やりがいやこどもとの関わりについて。自分の仕事に誇りに思っている人たちの言葉は非常に重みがある。助産師や小児科医、小中学校教員にスクールソーシャルワーカー、また弁護士。様々な形で関わる人たちは、決してこどもを世話してやっている、という気持ちでなく、共に育ち、どうしたら彼らが幸福になるのかを真剣に考えている。だからこそその言葉一つひとつに重みがある。読んでいて励まされる本だった。2013/09/10