内容説明
俳優、エッセイスト、俳人、放浪藝の研究者、ラジオパーソナリティなどなど。
鬼才の藝と生き方を、ラジオ「あしたのこころだ」の筋書作家が描き出す。
俳号は変哲(へんてつ)、昭和ヒトケタの戦中派。蒲田で育った少年期、ハモニカ吹かせりゃ名人で、お医者ごっこもお手のもの。
早稲田大学でオチケンを創設し、新劇役者を志す。
映画や舞台に大忙しで、不惑を過ぎてはこの国の放浪藝を探求し、ラジオじゃ「あしたのこころだ」と叫びつづけて40年。
俳優、エッセイスト、俳人、ラジオのパーソナリティと多彩な才能を発揮した“異能の人”小沢昭一について、ラジオ番組「小沢昭一的こころ」の筋書作家をつとめた著者が記した一冊。
向島、下諏訪温泉、蒲田、亀戸天神など、小沢昭一が愛した馴染みの場所を訪ね、その足跡をたどる。
盟友の加藤武、劇評家の矢野誠一と著者による鼎談を巻末に収録した決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
17
TBSラジオ「小沢昭一の小沢昭一的こころ」に作家として携はつた、著者による評伝。藝能の起源を探るべく、各地の放浪藝を調査したり、故郷蒲田を訪ねたりと、番組のプロデューサーであつた坂本氏との二人三脚が続くが、小沢昭一の役者としての力量ゆへか、なかなか彼の核心に踏み込めない。そのありやうもまた、小沢昭一といふ人の魅力として消化しやうといふ姿勢で、それを愉しんでをり、読者もまたその中に入つて遊ぶしかない。加藤武・矢野誠一の両氏と著者による巻末対談も絶妙である。2020/02/01
ラム
1
小沢昭一と言えばラジオ「小沢昭一的こころ」、今でも三味線のテーマ曲が耳に残る その晩年、ラジオの脚本作家として接した三田が著わした回想 「こころ」の脚本に三田も参画していたのは本書で初めて知る NHKのディレクター時代にラジオの仕事を依頼したのが馴れ初めとか 学生時代からラジオ等を通じて私淑していたとも 冒頭、三田が通夜に向かう場面、回想を挟んで告別式での加藤武の弔辞と出棺の場面は胸に迫る 生前「身体の一部」とも称していた「こころ」の関係者・坂本元プロデューサーと所縁の人、土地を巡り小沢の事績を辿る2021/07/03
takao
1
ふむ2021/12/24