内容説明
〈第10回 中央公論文芸賞受賞作〉
社運を賭け、巨大ビジネスとなる惑星探査用の高純度人工水晶開発のためマザークリスタルの買い付けを行う山峡ドルジェ社長・藤岡。
インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。
宿泊所で娼婦として遣わされた少女ロサ。彼女は類稀なる知力を持つ不思議な存在で、更に以前地方の村で目撃した「生き神」だった。
鉱山からの帰途に遭難した藤岡はロサの能力に助けられることになる。
ロサを通訳兼案内人として村人との交渉に挑む藤岡だが、商業倫理や契約概念のない先住民相手のビジネスに悪戦苦闘する。
直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造──まさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。
鉱物ビジネスを巡る命を懸けた駆け引き。
古き因習と最先端ビジネスの狭間で蠢く巨大国家の闇に切り込む、超弩級のビジネスエンタメ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoっぴ
80
篠田節子さん初読み。吸引力のあるビジネス冒険エンタメ小説、がっつりの読み応えです。工業用の高純度水晶を探す藤岡はインドに赴き、紆余曲折の末にようやくコドゥリ村という小さな村で満足のいく水晶を見つける。インドの階級社会の厳しさ、女性蔑視、混沌とした治安、金と人脈が全てのビジネスなど、インド社会の雰囲気は香辛料の匂いさえ感じられるほど臨場感満点。騙し騙されは当たり前のインド流のシビアな交渉にどこまで食い込めるのか。生き神をしていたロサの運命も気になるところ。下巻へ♪2018/03/14
はにこ
55
希少なクリスタルを探して、インドに飛び立った藤岡。そこで出会うインドの文化と歴史。日本で育った私から見たら、あまりにも後進的だと思う。しかも、命の危険がいっぱい。よくこんなところでビジネスを開拓しようと思うなと感心。インドで出会ったロサ。彼女の不思議な力が今後もかかわってくるのかな。下巻へ。2025/04/15
カブ
48
ビジネスエンタメと銘打つ本作、ちょっとハード系かと躊躇したが、インドの文化、因習、民族間のやり取りなどがスパイシーな香りが感じられる物語に引き込まれ読了。下巻も楽しみ。 2019/04/28
James Hayashi
38
宝石研磨加工から精密機械部品製造へ、甲府という地方都市ながら社運を賭け世界的ビジネスを考慮。ストーリーは人工水晶から惑星探査用の水晶振動子を作る為、高純度の水晶を求められインドへ。ビジネス冒険エンタメ小説。著者らしく重厚な作りで飽きさせない。インドの底が抜けたような階層社会を見せ付けられ、カルチャーショックを受けながらリスキーな展開も見受けられる。国際的なビジネス感覚では通じないインドで、現地であった不思議な少女の指南は導きを与える。下巻へ。2018/06/02
matsu04
35
タイトルからはどのような物語なのか全く見当がつかなかったのだが、出だしからいきなり始まる濃い展開に一気に引き込まれてしまう。インドは得体の知れない奥深さを秘めているようである。「戦後日本の人権感覚がどこででも通用するとは思わない方がいい」、ううむ…。読みにくい文章に少々疲れるものの、下巻へ。2019/09/23
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