ちくま学芸文庫 ヨセフス ──イエス時代の歴史家

著者名：秦剛平【著】

筑摩書房（2018/01発売）

• ISBN：9784480085542

内容説明

『ユダヤ古代誌』『ユダヤ戦記』の著者として高名な歴史家フラウィウス・ヨセフス（37年ころ‐100年ころ）は、パリサイ派の祭司でもあり、ユダヤ反乱軍の指導者でもあった。その多面的な相貌と同様に、著作も愛読と同時に、誤用・濫用・悪用されてきた。その人物と歴史を語ることは、キリスト教の裏にある反ユダヤ主義というヨーロッパ文化の・思想の根源を考えることに他ならない。本書は、その生涯、著作の内容と著された背景、そして近代に至るまでの著作の運命、現代におけるヨセフス学の意義などを考察した本邦初の試み。

感想・レビュー

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[oryzetum]

1世紀のユダヤ人著述家フラウィウス・ヨセフス(この本では一貫してフラウィウス・ヨセフスと記されているが、古典ラテン語ではFlāvius Iōsēphus / フラーウィウス・ヨーセープスとなるはず)の伝記と、彼の記したテクストの成立・継承の過程や、現代に到るまでの受容を概説している。文献を読むには単純に文章をなぞるのではなく、裏の裏まで検討することが大切だとよく分かる本。

2020/05/01