内容説明
長い夢を見ていた――。合戦に次ぐ合戦、流血の果てに、島津家の大願「天下静謐」も絶え果てようとしていた。島津宗家三男歳久は、それでも見果てぬ夢を見ていた。島津・織田・明智・浅井・延暦寺……あらゆる策謀が交錯する戦国の世で、歳久は、兄の島津義弘を殺す決意を静かに固めたのだった。島津家の九州統一の端緒を切り開いた「木崎原(きざきばる)の戦い」を描く、圧倒的大河浪漫第二幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
6
はったりが効きすぎてどうにも胡散臭く感じてしまった。こういうのは引っかかっちゃうともう駄目なのかも。2018/03/31
広瀬研究会
4
大きな背景設定を持った物語の中の一つのエピソードといった描き方が、大航海時代に躍動する島津四兄弟のストーリーとマッチしている。作品の外に未知の世界が広がっているようなワクワク感と、作品内ですべてが完結していないように思えるモヤモヤ感と、二種類の味が楽しめる。(後者はちょっと苦手だけど)2018/03/03
HANA
3
今回は信長包囲網辺りの話。なので結構織田寄りの話があった感じ。そこにも日新斎を関わらせてくるとは思わなかったけれど。そして大友だけでなく肝付、伊東と九州側の大名もそれなりに登場はしてきてちょっと楽しかった。どこまで歴史に沿っていくのかは分からないけれどこれからの展開も期待。2018/01/09
へいがぁ
1
評価が難しいです。もっと伝奇っぽい展開だと思っていました。2017/12/19
tindrum
1
この時代小説はいくつかのレイヤーによってできている。もっとも主なレイヤーは薩摩藩島津家の九州藤一の為の軍記だが、そこに戦国時代の織田信長の日本統一、さらに大航海時代の宋、スペイン、ユダヤ、イスラム、イングランドの様々なレイヤーが重なって、最初の世界大戦といえる事態が描かれている。2017/12/08