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内容説明
雑誌『思想の科学』への投稿がきっかけで交流が始まった二人。半世紀ぶりに再会し、語り合った昭和の記憶とは? 鶴見氏は、昭和三年の張作霖爆殺事件の号外を覚えているという。八歳年下の上坂氏が、戦前から戦後の体験談について、根掘り葉掘り質問をぶつける。「米国から帰国したのは愛国心かしら?」と問う上坂氏に、「断じて違う!」と烈火のごとく否定する鶴見氏。一方で、「戦時体制にも爽やかさがあった」と吐露する上坂氏に対して、「私もそう感じた」と応える鶴見氏。やがて議論は、六〇年安保、ベ平連、三島事件、靖国問題へ。六〇年安保のデモ行進に誘われた上坂氏は「後にも先にもデモに参加したのはあれが初めて」と。その後、ノンフィクション作家として自立してゆく上坂氏の原点に、鶴見氏らとの交流があったというのは興味深い。現在では護憲派、改憲派という立場を異にする二人だが、いまだからこそ訊ける、話せる逸話が尽きない。圧巻の一六五歳対論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
11
二人の本を読むのは始めてだが、二人とも戦後のイデオロギーとかに囚われずにあくまで自分の目で考えて行動している姿に戦後というのはこのあたりの世代の方が今まで日本を支えてきたのだと感じた。2010/09/02
naniwoyomu
10
おすすめ。 #おもしろい #昭和史
白義
8
片や右寄りのノンフィクション作家上坂さん、片や市民派のプラグマティスト鶴見さんと一見真逆の、VSものっぽい企画ですがもともとお二人は思想の科学時代からの知己、歴史の証言者として正直に、元気に昭和の世相や社会を語り尽くしています。二人ともイデオロギーよりも自分なりの公平感覚に忠実で、対立ムードになっても嫌悪感を感じないさっぱりした対談、思い出語りになっているのが好印象。それにしても鶴見さんの知識と記憶力は尋常じゃない2011/05/27
ダイキ
6
鶴見俊輔と聞くと、どうせ典型的な進歩的文化人なのだろうという偏見が私にはあったため、今まで殆ど関心を持つことが無かったのだが、葦津珍彦と親交があったと某所で聞いたことから俄然興味が湧き、取り敢えず手頃に入手出来た本書を読んでみたところ、非常にフェアで独立した視座の持主であったことが知られた。特に面白かったのが、日本に於ける村八分の、二分は残すというところに、「アメリカより千年早いデモクラシー」を見出しているところで、インテリの空理染みすぎているところはあるが、こんなこと生半の左派には絶対に言えない(笑)。2019/06/23
hr
3
謳われた「異色」の通り、異色な内容だが、「昭和史」と言うには食い足りない。鶴見俊輔が父の二・二六事件以後の活動の縮小を責めるのは、子としてではなく、一部の市民の声を想定してのことだろう。上坂冬子は河本大作の人間味あるエピソードを知って、彼の公職での活動を免罪してしまっているが、それは呑気に過ぎないか。鶴見は事実・状況を見て、上坂は人物を見る。どちらがいいということでなく、どちらも必要なんだよね。2017/05/14
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