内容説明
幕末の会津。ある寺に、イザナミ・イザナギ両神が日本を生み出した時に使ったとされる伝説の秘宝・瑠璃尺が隠されていた。瑠璃尺を奪い取った魔人・加藤は、日本を滅ぼし、自らの新しい国を作り出すため動き始める!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
18
『帝都物語』の前日譚で、幕末が舞台(『帝都幻談』の続編らしいですが、そちらはまだ読んでいません)会津の寺から国生みに使われた伝説の神器・瑠璃尺が奪われるところから 物語が始まります。妖術を操る旗本の加藤重兵衛保憲が瑠璃尺を用いて、日本を滅ぼそうと画策、平田篤胤の娘・おちょうや新選組の土方歳三らが、それを阻止しようと動きます。『帝都物語』同様、たくさんの知識が 入っていて、非常に濃い内容でした。2019/06/04
Oh!やまびこ
4
読み終えるのに時間を要した。腰を据えて読まないと理解不能に陥りがちだからである。民俗学、数学、幾何学に興味有る自分には面白くてたまらない伝奇小説。下巻も楽しみ。2022/11/11
カマー
2
帝都物語の前日譚 本編同様歴史上の人物が普通に登場人物に居たりオカルト系のうんちくが多かったりと満足のいく内容 ラスト付近の日本の怨霊が総登場する場面は思わずニヤリとしてしまった けど崇徳上皇いないのね 2015/07/13
akiu
2
明治維新期(戊辰戦争など)の最中に暗躍する加藤重兵衛! あまりにも文章が平易なので、自分にしてはすごいスピードで読んだ。内容はお決まりの展開連発で面白かったです。元祖帝都物語と、話の流れがほとんど変わらねぇ…。上巻ラストの怨霊オールスターズには爆笑。下巻へ続く。2010/02/05
ma-no
2
どこまでが学術的な定説で、どこからが荒俣先生の俺理論なのか、浅学な自分にはさっぱりわかりません。めくるめく智の興奮。ただただ圧倒されます。恐ろしさと脆さを併せ持つ加藤は、伝奇小説史上屈指の悪役ですね。厚さの割りに、文章は読みやすいので、どんどん読み進められます。2009/08/31