内容説明
ひとりは勝算なき「ビール事業」に挑み、もう一人はベトナム戦争の最前線に身を投じる。生産量世界一のウイスキーをつくったサントリー佐治と無頼派作家開高の不思議な友情がかなえた、巨大な夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
7
上に続き、下もほぼ一気読み。釣りするオッサンのイメージが強くて開高の作品のほとんどを読んでおらず、遅まきながらリストに加えた。若い頃角瓶を飲んでいた父はいつのまにかダルマを友として、そのうちに母も晩酌に加わって、たまにローヤルになったりもしたが、ダルマは長く我が家の大人の世界を象徴していた。今は家飲みでウイスキーって、少ないんじゃないだろうか。毎年の成人式の新聞広告も楽しかった。トリスから矢沢永吉や宇宙人ジョーンズに至るまで、生きる楽しさを明るくユーモラスに演出してくれたサントリーに感謝。2021/04/25
ろぶくん
5
面白く読めた。社長と芥川賞作家社員の熱い物語。開高みたいな社員は今の会社組織には間違いなく入ってこないだろう。数は多くないが写真も素敵だった。2019/07/04
AU.Step
4
佐治敬三と開高健。2人の関係性を示すに友情という生温い言葉では追いつかない。それだけに開高の最期を巡るゴタゴタは悲劇でしかなかったと思う。また開高の人間としての業の深さ。「惚れた女の、焼き場の骨を見たことがあるけぇ」この言葉を吐き出した彼の心情を慮るといたたまれなくなる。2019/12/01
ちゃあぼう
1
二代目社長の佐治氏と社員の開高氏の行ったマーケティング戦略の紹介を二人の友情を絡めて描いたサントリー史。2020/03/28
勝丸
1
佐治さんより畏友と言われた開高さんですが、本書では交流部分のエピソードを楽しみにしていたが豊富とも言えず、それよりもそれぞれの人生をたどっている部分が主になっていました。それでも、昭和を駆け抜けた勢いを十分に感じました。2018/01/20