内容説明
花果山の石から生まれた孫悟空は,72通りの変化の術を使って,縦横無尽の大活躍.インドへ経典を取りに行く三蔵法師を助け,数かずの妖魔を退治しながら冒険の旅を続ける.〈改版〉
目次
目 次
29 平 頂 山
30 宝ものの交換
31 金角と銀角
32 盛りくらべ
33 宝 林 寺
34 国 王 の 霊
35 烏 鶏 国
36 三蔵がふたりに
37 紅 孩 児
38 三 昧 真 火
39 善 財 童 子
40 黒 水 河
41 車 遅 国
42 雨乞いくらべ
43 法術くらべ
44 通 天 河
45 陳 家 荘
46 魚 籃 観 音
47 まぼろしの楼閣
48 火攻め 水攻め
49 お釈迦さまはやっぱりご存じ
50 子 母 河
51 再度の破門
52 悟空のにせもの
53 六つ耳のサル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
44
古典は間違いないとはこういうことか。大筋は旅の道中に妖魔に出くわし、撃退していくという単純なストーリーの繰り返しにも関わらず、こんなに面白いのはなぜなのか。三蔵は悟空がこんなに毎回頑張ってるんだから信じてあげて、と思ってしまう。毎回パターン化しているのに八戒の言葉にすぐ惑わされるし、師匠ならしっかりしてくれ。笑 沙和尚だけ影が薄いのが気になる上、紅孩児や独角兕、特に八戒のイメージが昔読んだマンガ『最遊記』の設定に引っ張られてやや混乱する。2022/06/04
たつや
44
他の本と併読。上巻は物語の始まりや石猿悟空のエピソードが面白く、記憶にも強く残っていた。中巻は金閣銀閣以外はあまり覚えてなかったので、そういう意味では新鮮でしたが‼三國志、水滸伝に並ぶ古典だけあり、濃厚な娯楽が押し寄せてきて、やや、胃がもたれる。2017/03/16
テツ
23
上中下巻と揃って知り合いから譲って頂いたので懐かしく思いながら読んでいます。金角銀角とか久々に名前を見たなあ。中国ではリーダーというものは才気溢れてバリバリやるタイプよりもボンクラだけれど優しく徳があり周囲から助けて貰えるタイプが愛されるとか何かで読んだけれど(劉備とか)、ああ。確かに玄奘三蔵はボンクラだな……。おまけにあんまり徳もないような……。悟空の苦労を思うと居た堪れない。物語としてはやっぱり面白いので早く下巻を読みたいです。2017/03/16
おはなし会 芽ぶっく
11
岩波文庫で読むと10巻なので、こちらを読みました。中国の文化を知っていなければわからない冗談が随所にあり、解説がついているので理解出来ました。登場人物に昔見たドラマの先入観がありましたが、 孫悟空が面倒事の解決力はスゴイ!、 ホンモノの三蔵法師がこの物語のような人物だったのか疑問だけれど、現代の世界史の教科書にも名前が載るような偉人が、親しみやすい人物になっているのも魅力的です。中巻は金角・銀角登場!2020/03/02
Ernest
5
中巻だろうが面白い。行く先々で旅を阻む敵や難題が現れ、その度に孫悟空が解決していく。師父といるとすぐ問題を引き寄せるな、というだけあって師父はなるほどアリスやピーチ姫程にさらわれやすい。菩薩たちが見守っているはずなのに、苦難が多すぎるといって孫悟空が抗議しに行って、いやお前が悪いと言われつつ確かにけしからんと菩薩に納得されて助太刀してもらったり、妖怪にずるいと罵られても仕様のない戦い方。神々に感謝して玄奘三蔵が涙するのと同時に、神様だってうっかりするというユーモアを忘れずに入れるところが何とも憎めない。2020/08/14