内容説明
東京都の監察医となって数多くの「死体」と対面してきた著者が「死」とは何かを語る。監察医とは意外なことに事件性のはっきりした死体は解剖しない。いわゆる「変死体」と言われる死因のはっきりしない死体と向き合う。それだけに、その死から様々なドラマを読むことになる。誰にも看取られずに死んだ独居老人、溺れて死んだ子供、ミイラ化した死体、五寸釘を心臓に刺して自殺した男などなど。テレビのサスペンスドラマがよりいっそう興味深いものになるのは間違いない。ベストセラー『死体は語る』に続く監察医のモノローグ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あああ
12
前に読んだやつより面白い。そうかぁ、監察医は東京とその他何ヵ所にしかいないんだ……。どうしよう、今度書く作品の舞台、宇都宮みたいな感じのところなんだけど。これじゃ監察医を登場させられない!何か対処法を考えるか……2018/02/17
Takako
5
30年間東京で監察医を務めた法医学者が、物言わぬ遺体の声を聴く日々を綴った本です。監察医制度とは何かということから、監察医の仕事と日常まで。一つ一つの死に、ドラマがある。人の生死にこれだけ多くの人が関わっていることを知ると、生きるということは自分ひとりだけのものではないのだなと改めて感じます。「死」について考えることは、「生」について考えることに繋がるのです。2018/02/09
りちゃ
5
自然死以外の変死の対応が、地方自治体にまかせられている。そして「監察医制度」はたった5都市にしか制定されていない。それ故に、見逃されてしまう事件が出てきてしまう可能性があるという実状に驚いた。また、「監察医」と「鑑識ドクター」、「検視」と「検死」、「司法解剖」と「行政解剖」等々、耳にしたことはあっても、よく解っていなかった。というか、勝手に違った解釈をしていた…。ちょっと?賢くなった気分。2015/09/03
ふー
4
監察医は全国平等にないなんて…。死者の人権も住んでいる地域でカースト制度なんて、そんなことあっていいのかそうなのか。 天下の京都ですら廃止なんて、我が県は絶望的だ。笑笑 いつどこで死んだって真実は明かされるべきだし、明かされず有耶無耶になっていくことはこの日本で起こるべきことでは無いと思う。一体日本の政治家はどこにお金をかけているのだろう。納税するのが馬鹿馬鹿しくなってくる。2025/04/14
ふろず
4
色々な亡くなり方をした死体から読み取れること、監察医としてどのようなスタンスで仕事をしていたか、について書かれている。あまり一般的でない仕事なので好奇心全開で読み進めた。後半は様々な遺体にまつわる著者の知見が興味深かった。「私がいちばん検死・解剖したくないのは、子どもの遺体である。」にとても共感した。子供の身体が大人とは違い未熟で発達途上にあることも改めて理解した。大人が必ず保護しないといけないことも。(昨今、今更のようにジャニー喜多川のシステム化された性加害の話がニュースに上るようになった)2023/09/12
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