象徴天皇制の成立 昭和天皇と宮中の「葛藤」

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象徴天皇制の成立 昭和天皇と宮中の「葛藤」

  • 著者名:茶谷誠一【著】
  • 価格 ¥1,496(本体¥1,360)
  • NHK出版(2017/09発売)
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  • ISBN:9784140912447

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内容説明

生前退位をめぐって、いま、皇室典範さらには象徴天皇制の在り方についても、多くの議論が起こっている。本書は、敗戦直後の成立期に焦点をあて、『昭和天皇実録』や天皇側近の日誌など近年公開・発見された新史料を精緻に読み解きながら、天皇・宮中・政府・GHQなどの相克のなかで誕生した象徴天皇制の成立過程を鮮やかに描き出す。昭和天皇が抱いていた思いとは何か。原点に立ち返りつつ、あらためて象徴天皇制について考える一書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュンジュン

12
象徴天皇制=立憲君主制=王は君臨すれども統治せず。一般的には正しいが、現実はそう単純ではない。より拘束力の強い「共和国における君主制」に該当するらしい。国民統合の象徴としての天皇と皇室の民主化←昭和天皇・宮中、政府、GHQ、それぞれ目指すべき目標は同じでも、中味は違う。特に、昭和天皇~三種の神器や皇統の継続が最優先。戦後も「相談を受ける権利」を保持したい~は、生々しくて魅力的だ。2022/09/14

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

7
 終戦直後から講和条約までの間の昭和天皇の処遇、並びに新皇室典範や憲法と天皇の動きの制御の問題を扱った一冊。登場人物が多く、時系列で細かいことが語られているので精読するためにはメモを取りながら読むことが必要だと感じた。  全般的な内容は、昭和天皇自身の君主観が戦後も戦前から大して変化していないこと、側近に守旧派がおり、戦後の改革派との軋轢があったということに尽きる。平成の天皇については、ごく僅かしか語られていない。案外情報量が多く、読むのがしんどかった。2020/05/27

佐藤丈宗

3
戦後日本が直面した「天皇制をいかにするか」という課題。GHQvs日本政府という構図ではなく、これに天皇とその側近という宮中勢側の動きも見ることで、より立体的に「象徴天皇制」成立をめぐる情勢を描く。どの勢力も天皇制存続と日本の民主化という目標は目指しながらも、それぞれの「象徴天皇制」認識の差違。これに天皇の責任問題が絡み、揉めに揉めた。GHQが大きな権限を振るったのは事実だが、日本側も決して「押し付け」られるがまま自らの針路を決めたわけではない事実がここにもある。昭和天皇と今上天皇の天皇観の違いも興味深い。2017/09/10

バルジ

1
「象徴天皇」制度の成立過程での宮中と政府・GHQの葛藤が史料に基づいて記述されており非常に勉強になった。 従来そのあまり評価されていなかった総理大臣としての芦田均を宮中改革という観点で高く評価し、その後首相を継いだ吉田茂との「象徴天皇」観の連続性などは政治史的な面からも、もっと注目されてもいいのではないだろうか。2017/06/06

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