内容説明
警視庁保安課の刑事・上月は中国語の通訳捜査官・城らとともに池袋の雑居ビルに家宅捜索に向かう。容疑は入管法違反。取り調べると、拳銃や覚醒剤が出てきた。拳銃の線を洗うと、「竜生九子」という在日華人の組織が浮かぶ。在日華人の人脈を持つ城が独自に捜査を進めると、一人の中国人の名が。その矢先、城の妻子が拉致される。――日本と中国。二つの国の間で揺れる男たちの葛藤を、通訳捜査官とその相棒の活躍を通して描く警察小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
27
帯の感想に「城と上月いいコンビですね」って書かれてたけど、二人はバラバラでコンビではなかった。自分勝手に動き回り利己的な城と理性的な上月。なんだ騙された気分。2019/08/26
すたこ
26
★★★★★久々の福田作品。面白かった!裏表紙によると、ちょっと小難しいのかと思いきや、とても読みやすく、サラッと読めた。日本で生きている中国人の諸相を説いている作品。斬新なテーマだった。上月と城のコンビも良いなあ。登録数は少ないけど、なかなか好きな感じだった。それにしても、福田作品の幅の広さには毎度驚く。2019/10/01
豆乳くま
15
以前読んだ警察アンソロジーで福田さんの作品を初めて読みその時に少し登場しその存在を知った警視庁通訳センター。近年急増する外国人による犯罪に欠かせない通訳を専門とする業務だ。中国語の専門の城は幼い娘を育てるため刑事から通訳センターに移動したシングルファザーだ。嫁は突然出て行ってしまったが離婚はしていない。その嫁が急に帰ってきて職場でトラブルがあり相談に来た、と言う。その妻と娘が拉致され怒涛の展開へ。日本における中国人社会の闇や暴力、老華僑や新華僑、複雑に絡みとても面白かった。続編もあるらしい。2020/03/11
きょん
15
警視庁保安課刑事と通訳センター勤務の元刑事のバディもの。新華僑とか不法滞在者など在日中国人社会について知らない事が沢山あって面白かった。続編も楽しみ。2018/10/24
うさぎや
8
警察小説でバディもの。片方が中国語に堪能な通訳センターの警官というのが面白い。しかも行動力はんぱないし。2017/08/16