内容説明
阿麻丸と桜姫は京に近江に流転し、玉琴の遺児清玄は桜姫の髑髏を求める中、後南朝の二人の宮と玉璽をめぐって吉野に火の手が上がる……! 応仁の乱前夜を舞台に当代きっての語り手が紡ぐ一大伝奇、完結篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさ
31
禁闕の変、そして時を隔てて長禄の変へ。上巻で敵味方それぞれの立場で動いていた人物たちがつながってきた。怨霊や傀儡が跋扈する中でも神器を証として追い求める時代は滑稽でもある。混沌とした時代から、さらに乱れる応仁の乱へ。収拾がつかない世界なのに爽やかな風が流れるように感じるのは皆川さんの筆力か。講談師に締めていただきました。――講釈師 見てきたような 嘘をつき――幻想伝奇はおもしろい。2021/08/15
geshi
28
時折カタカナ語を使い作者がメタ的に言葉を発するのが作者の物語への考え方を表している。男は幻想に寄り縋り、女は強かに生きのびる。登場人物が時代の趨勢に揉まれながらも全員自分の好き勝手に生きて、人間として生きているから作者が思惑通りになかなかいかないとボヤいているのが面白い。執念に取り憑かれた者たちの、ある意味純粋とも言える姿は印象的だし、その死すらも「やり切った」感があって清々しさすら覚える。彼らはこの本が閉じた後も生き続けているのだと確信させる読後感の良さ。2018/03/09
かわうそ
17
虚実織り交ぜた絵巻物を作り上げる登場人物たちの複雑に絡み合った思惑、葛藤や行動と、それとはほぼ無関係に強制スクロールしていくような背景としての歴史の流れの対比が何とも不思議な読み心地。全体のストーリーよりも、各シーンそれぞれが見せ場になっているような印象。2020/05/23
夏子
8
一体どれだけ続くのだろうと思えるほど長い長い物語でした。ほぼ全ての登場人物達が自分の生きたいように生きていたのが印象的。皆川先生が楽しんで書いているのが伝わってくるようでした。陰謀渦巻く世界で争いに巻き込まれ続けた主人公達でしたが意外に後味の良いラストでした。2017/09/21
しずく
7
上下巻読んでの感想になります。混乱期のなかでそれぞれ自分の思うところに動いていく、野分御前、阿麻丸、桜姫、小萩。ひたすら野分に忠実な兵藤太。振り回される山吹。得体の知れない百合王。混沌とした世界。2018/06/22
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