内容説明
時は室町。嘉吉の乱を発端に、南朝皇統の少年、赤松家の姫、活傀儡に異形ら、死者生者が入り乱れ織り成す傑作長篇伝奇小説、復活!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
29
皆川博子作品で桜で伝奇なのでハードル高くしすぎたかな。ドップリ感はそれほどではなく、とても読みやすい文章でスラスラいける。怪異をギリギリ現実にもありうる形で出しているため、やや外連味に欠ける印象。それでも下地としたフィクションの緯糸と史実のリアルの経糸を織り重ね、どこまでが現実でどこからが虚構か分からない一つの絢爛豪華な物語に仕立ててしまうのは流石。室町時代の動乱の中で生まれ流転する愛憎劇をエンターテインメントとして読ませる皆川作品らしいストーリーテリング。2018/03/09
まさ
27
応仁の乱へと向かう室町時代。ただでさえ猜疑と裏切りに満ちる混沌とした世界なのに、皆川さんは奇怪な傀儡など異形を盛り込んできた。赤松満祐の妾・野分とその娘桜姫、そこに玉琴、兵藤太、山吹、蝦蟇丸、阿麻丸、百合王…と幾重にも絡んでくる。妖しい世界観は耽美な世界にもつながる。登場人物同様、幻を見ているのか、不明瞭な世界に誘われた。 時折、"解説"が入るのは皆川さんが現実に引き戻してくれているのかな。下巻へ。2021/08/09
ゆう
13
男女貴賎問わずいかがわしい人物のオンパレードなので、最初胃もたれがして読み進まなかったが、中盤あたり(上巻の)から慣れてきたのか物語に引き込まれた。荒唐無稽とも言える展開なのに説得力を感じてしまうのは時代を室町に持ってきてるからか、筆力が凄いのか。期待しながら下巻へ…2020/03/22
春の夕
6
無道な行為は人の貪汚さを際立たせ、瞋恚に燃える様に焦燥感を抱かされ、惆悵としてひとりその人を憶うことを止まない。醜くもしぶとくも生へ執着する姿には憧憬を食らわされ、薄幸な生を背負って生きている様は庇護欲を沸かせる。人は生死違わず美醜変わらず、ひとつひとつ知る限り、何かしかの感情を生じさせる力があり、その大きな力には畏怖するけれども目を奪われて仕様がなかった。2022/02/11
nightowl
6
得意とする時代の混乱期を更に血腥く書く。応仁の乱前夜の徐々に炎が燃え盛ってゆくさまに、不気味な妖しい魅力を感じる。混乱はフィクションだけで十分、とお腹いっぱいになりつつ先が気になる故ページを捲る手が止まらない。2020/04/17
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