トクマ・ノベルズ<br> 黎明の書 巻之壱 出会いと旅立ち

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トクマ・ノベルズ
黎明の書 巻之壱 出会いと旅立ち

  • ISBN:9784198509248

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内容説明

人間の優に六倍は超す寿命と強靱かつ優美な肉体を持つ《貴種》に支配される西欧中世的世界。しかし彼ら《貴種》は、大陽の光を嫌い、人の血を好む吸血鬼と噂されていた。ある日、聖十字架教会の養い子で十四歳の少年ラウルは、森で《人狼》に襲われていた領主シェミハザ伯爵の嗣子イオアンと出会う。彼に惹かれていくラウルは、《貴種》を忌み嫌う司祭の不興を買い、教会を飛び出した。そして、イオアンの侍者となり、城で暮らすことになるが、そこでは…。少年たちの出会いは、平穏に見えた彼らの世界と運命を動かした。新たなる《吸血鬼》世界が、いまここに、始まる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

46
人を正すための神の御使いとされる「貴種」と人間がか細き糸のような均衡状態で共存する中世ヨーロッパ的世界。交歓めいた吸血の共鳴し合う官能性や従者と主人の唯一無二の関係性や思慕と執着など、まさに耽美です。弱肉強食の家庭で育ち、母に慈しまれずに育ったイオアンが自分を無条件に助けてくれたラウルに雛鳥のように心を許してしまうのは当然なのですがラウルが尻込みしているのがじれったいです。個人的には子供組よりも立場を一時、忘れて甘える伯爵と彼と眼を共有し、甘えさせるオラフ、互いに誰よりも大事だったリべカとルイズが好きです2013/04/11

UK

24
厚さと細密な表紙絵に気を惹かれて手に取る。吸血鬼のシリーズもののようだし、みっしり楽しめそうかな、と。ストーリーはさもありなんという感じでとりたてて奇想天外でもない。貴種たる吸血鬼と人間の関係も類型的。異種の少年同士の愛もまあこんなもんか。ぶつぶつ言ってはいるがそれなりに面白い。たぶんシリーズ数冊が積み上げてあったら一気に読む気はする。でもまとめて借りなかったからなあ。人物像もそれなりに興味深いのに夢中になれないのはなんでだろうね。2016/11/28

玲@灯れ松明の火

19
篠田作品のヴァンパイアもの。人間と「貴種」と呼ばれるヴァンパイアの少年たちが出会って紡がれる物語。孤児で教会の隔離された世界に住んでいた、ラウルと貴種で城からあまり出たことののないイオアンが森で出会い、二人の世界は徐々に広がっていく。世界観が凄く綺麗で、篠田さんらしい作品。旅立ち編なので、旅は続きます。全三巻?龍シリーズとは違いちゃんと?西洋物でした(笑)2013/08/02

しましまこ

18
完結したので一気読み。シャムス推しの私としては期待大。オッサン組がいいんだな。仔犬2人も早く育て~。2019/09/11

RIN

18
漫画もBLも読まないからあくまでイメージだがその手のカテゴリー?(笑)と思わせる篠田さんの本領発揮のヴァンパイア物語。ミステリでデビューされたが建築家探偵シリーズは次第にミステリ要素は無理くりな感じになってきたし、ご本人も確か耽美的な欧州舞台ものが書きたいものとどこかで書いておられたような。『龍の黙示録』シリーズだけでなくノンシリーズにも散見される篠田ヴァンパイアは独特な世界観を持っているように思う。文章巧者でさくさく読めるし難しいこと考えたりツッコミ疲れせずに読めるのでリラックスしたい時にオススメ。2014/09/25

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