内容説明
富山空港での飛行機墜落。事故死した指名手配中の犯人・本井忠介について、村野は単身、捜査を進めていく。さらにもう一人、事故で昏睡状態となっている被害者・黒沢正樹の家族とも連絡がとれない。村野は支援課だけでなく、失踪課の高城に応援を求める。本井の足取りを追う中、村野は事件の裏に15年前の殺人事件が絡んでいることに気づくが……!? <支援課+失踪課+追跡捜査課>警視庁の総力を挙げて挑む、最高の難事件。
目次
第五部 ニュース
第六部 原稿
第七部 共犯者
第八部 悪の連鎖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
412
下巻も怒涛の一気読み。堂場さんの本領、警察モノシリーズ総動員の豪華版。登場人物が多くて、事件の本質にたどり着くまでに息切れする読者が出そうなのと、事件解決のきっかけが偶然に頼りすぎるのでは、というキライはあれども、今回も大満足させていただきました。途中頓挫している失踪課シリーズや追跡捜査課シリーズも、これを機会にまた取り組んでいこう。2018/09/16
KAZOO
142
これだけ読みがいのあった警察小説は久しぶりでした。あまり日の当たらない被害者支援というセクションをうまく日の当たる作品として出された手腕には感心いたしました。また今までの堂場さんのほかの作品に出てくる人を顔をちょこっと出したり名前だけ出したりして大サービスです。それだけ輻輳した事件であったので楽しめました。2017/10/11
いつでも母さん
137
いやいや何が良かったって、堂場さん出血大サービスの巻じゃないですか~一之瀬クンに高城さん、西川・沖田コンビまで、鳴沢了や、大友鉄の名前も挙がり私のテンションも上る。発端は飛行機事故で指名手配犯が亡くなったことだ。そして15年前の事件と同じ手口の事件が・・村野の立場はあくまでも被害者支援なのだが、絡まった糸を解く作業に縦と横のそれぞれの立場で縄張り争いのど真ん中に。捜一が誤認逮捕を謝罪しても、亡くなった者は還らないし遺族は生きて行かねばならない。もどかしいが支援課・村野の覚悟を観た感じで読了した。2017/08/14
あすなろ
125
高城さんも捜査一課第一主義なんですか?失踪課の高城に被害者支援課の村野が聞く。そんなファン垂涎の愉しみある作品の下巻。そう一之瀬君も出たりオールスター戦の趣き。兎に角大ファンの高城との絡みが僕には嬉しい。上下巻通じてのストーリー展開から言えることは、居場所。つまり、村野も高城と同じように4巻目にして初めて捜査一課でなく被害者支援課の席に居場所を見つけたということかな。また続きを愉しみにお待ちしてます。2018/02/05
じいじ
124
富山空港で20名の死者を出した旅客機事故。その中の一人、指名手配の男は、真の殺人犯だったのか?―警視庁被害者支援課・村野は、無実を信じて東京⇄富山を奔走する…。この結末は、ぜひご自身で確認いただきたい。終章で「こんな風に親身になってくれる人も警察にはいるんですね」と、被害者遺族の村野たち支援課へ向けた熱い言葉が印象に残った。これに応えた村野のひと言がカッコよすぎます。「支援課での仕事は、私にとっては仕事でない。生き方だ」。こんな人間味豊かな警察官が活躍する「警察小説」は面白いです。2017/08/21