内容説明
自らも癌を患い、闘病の末に克服した作家・沖田正午にしか書き得なかった、
葛藤と決意が胸を打つ傑作時代小説!
人気にかげりが見えてきた戯作者・浮世月南風は、ある日、名医・杉田玄白から突如「もってあと一年の命」と宣告される。
肝の臓に、悪性の腫瘍が出来ているというのだ。
このまま朽ちるのを待つかと自暴自棄になるが、昔から世話になっていた版元の一声により奮い立ち、一世一代の傑作を執筆することを決意する。
そこで浮かんだのは、かつて愛し、しかし去っていった女が残した一言だった。
「あなたには『****』が足りないの――」
自分に足りない物とは、果たしてなんだったのか。
その言葉を聞き直すため、そして愛しい女に再び出会うため、南風は命がけの旅に出る――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山内正
3
あんな難しいことよく書けるもんだとね へぇそなもんですかい 動かなくても座って出来る 話の途中で半鐘がなって男は立ち去った 今はこれといった作がないと版元の評判が 人の心を揺さぶるものをって簡単に言うが 戸口に杖をついた老人が南風を見た お若いのに気の毒だ もって一年の命と言い奥に 今迄言われた試しがない 翌日今迄通り執筆しなさいと医者が ほほう又会いましなとあの老人が あの皺顔が目の裏に浮かぶ ああ、あの人は有名な医者だよ 杉田玄白って名だそうだ あと一年って! 2022/04/29
山内正
2
四十の南風 半月程仕事がない 版元に気を抜いちゃいけないと 老人が店に入り お若いの気の毒だ 持って一年と 言ってすれ違う 三月すれば痛みが出ると 玄白と知り話を聞きに出向く事に 生きがいもてばな、儂も人助けが生きがいと まず酒を絶つと、遅らせてどうなる 版元が来て一年持たないのかと 腹いせに何か書いちゃあと煽る ある女の言った一言を確かめようと 旅に出る一月歩き福井へ又他の場所 私を忘れ無かったんですねと鶴女 足りないものはもう持っています 受入られると思わない事ですよ がむしゃらが大事なことですよ2020/02/23
山内正
2
下り坂の戯作者南風 ふとした時医者にあと1年の命と告げられる 残る日をせめて悔いのない日にと決心して若い頃好きな女から※※が あなたは足りないと言われた事が何か気になり女の行方を探す旅に出る 途中で自分の何が足りなかったかを 考え初めて自分と向き合う2018/02/19
犀門
2
#171★★★★☆これはシリーズ化されるのか?!。2017/09/26
月華
2
図書館 新刊コーナーで見かけて借りてみました。過去と現在が交わりながら、主人公が来し方を振り返る、というお話でした。最後は前向きな終わり方でした。2017/08/27