内容説明
「小説推理」で62回にわたり連載されたエンターテインメントが文庫オリジナルで登場!「ブロークンアロー」とは重大な核兵器の事故のことを指す米軍の符牒。――福島から高校卒業と同時に上京し、今は横須賀で車両整備の仕事をする28歳の江井(えねい)徹は横須賀の地下壕で旧日本軍の戦闘機の破片を拾う。それがネットオークションで高値で落札されたことから、俄然「お宝探し」に興味を持つ。しかし、江井は気付いていなかった。それがどんなに危険なことかを。立ち入り禁止区域の周辺をうろつく江井を、正体不明の連中が襲い始める。当初は警告ふうだったものが、次第に過激になり――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まぁにぃ
13
よく知っている横須賀の街。 バイクでのシーンでは、情景が浮かび上がってくる。 この物語は、江井と石渡警部補、どちらが主人公?と言いたくなる(笑) 若干中だるみ感があったが、ジョン・ラッドから孫蔵を守る作戦は笑った。 「めでためでたの若松様よ作戦」、大笑いした。 さあ、下巻ではどうなる?2017/12/09
GM職員
7
国際諜報サスペンス風エンタメ小説。 馴染みのある土地が舞台となっていたため、通勤のオトモに購入。 公安部の警官・石渡の視点と、軽い兄ちゃん・江井視点の章とが交互に描かれる構成。石渡の章は、緊張感を含んでテンポ良く話が進むから面白いんだけど、江井パートが冗長でだれる。しかも、こいつ危機感も警戒心も皆無かつ、起こった出来事から何も学ばないため、同情も応援もする気になれない。まぁ下巻での巻き返しを期待しよう…。 あと、横須賀の人もっと語尾に「~べ」「~だべ」ってつけると思うんだけどな。ちょっと寂しい(笑)2017/06/28
コリディ
5
5点。感想は下巻で。2017/12/17
ヨコケイ
3
冒険物にワイズクラックと変人キャラは似合う。中でも〈右翼を辞めて愛国者になる〉と嘯く元ヤクザのオッサンが可笑しい。現実よりよっぽどマトモ。ジュリアン・バーンズ「最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で悪辣で馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ」か、或いは別の物語の科白「〈差別なんて存在していない〉と言っている奴らの顔をよく覚えておけ。そいつらが将来差別をする奴らだ」に倣うなら、「〈自分には共謀罪なんて関係ない〉と言っている奴らの顔を覚えておけ。そいつらが将来隣人を密告する奴らだ」てな感じ。2017/06/06
ma_a2019
2
機械いじりが好きでちょっと好奇心の強い(他の小説だったら通行人A或いはB。もしくはイントロですぐ死んじゃうような)気の良い兄ちゃん江井君の横須賀を舞台にした核を巡る冒険?物語。横須賀含む三浦半島巡りをしていた頃有り、懐かしく手にしてみた本。地図を思い浮かべながら読み進むのは楽しいし読み易い。上巻では葵ちゃんとのバイクでの攻防が面白かった。バイク乗りの人だったらもっと面白く感じるのかな。以下、下巻。2018/03/10