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内容説明
北海道・札幌南高校の図書館。ここを訪れる生徒たちは、本を介して司書の先生に自分のことを語り出す。生徒たちの数だけある、彼らの青春と本にまつわるかけがえのない話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
108
北海道の超進学校の図書館(室)におけるひとコマを司書さんを通じて、纏められた1冊です。登場するのは皆さん、それぞれに思い入れがあるようで、様々な解釈や視点で語られています。やはりアタマがいいからなのか『読書』に対して、大なり小なりとても哲学的にとらえている感じがあり、改めて'たかが読書、されど読書'と思いました。ただ、なんとなく全体をとおして、本作を読むと読書との距離感が逆に遠くなるような気がしてしまいます。もっと気軽に読書に取り組めるように促進されればいいのですが、ハードルをあげられた感が残りました。2017/11/11
おさむ
52
我が母校の図書館の司書さんの書いた本。後輩たちの溢れんばかりの感受性と、思春期の心の揺らぎ、読書を通じて成長していく姿がうまく描かれています。自分の高校生時代の心の葛藤や古びた本棚の匂いなんかをぼんやり思い出してしまいました。30年以上前の自分を思い返すと、ここに登場する高校生たちのように爽やかで清々しかったかなあ‥‥(笑)。筒井康隆や落合信彦、阿佐田哲也(笑)に当時はハマってたなあ。読む本は友人の影響が大きかったですね。2017/10/18
Kanae Nakajima
48
北海道随一の進学校である札幌南高校の図書館が舞台。サブタイトルの「語らい」から想像していた感じとは違って、ほぼ生徒さんの独白をまとめた内容。勿論それを引き出した司書さんの存在感はひしひしと感じられます。さすが進学校の生徒さんだけあり、本との出会い方、「読書」の捉え方など優秀すぎて驚きます。巻末に登場する本のリストがあり、一望するとその凄さにおののきます。2017/10/11
カブ
45
北海道札幌南高校の図書館での生徒と司書の語らいを13篇にまとめてあります。生徒と一人ひとりが個性的で、みずみずしく豊かなことばにあふれている。自分が高校生だった頃、こんなふうにちゃんとした事を言うことができたかしら?なんて思ってしまいました。今の人は本を読まないと言われていますが、こんな若い人もいるのですね。ちょっと安心しました。高校の図書室って大好きな場所だったので懐かしい気がしています。2018/04/30
よっち
30
札幌南高校の図書館を訪れた13人の生徒たちが、司書の先生に問わず語りしたものをまとめた一冊。何というか読んでいてだいぶ恵まれた図書館だったんだなーということや、こういう環境にいるといろいろ広がりも出てくるのよねとか、周囲に本のことが語れる人がいるといい刺激になりますよね。10代のうちにこんな環境と巡り合えると良いんですけど、なかなか難しいというか。当時地元の公共図書館には通っていたけれど、高校の図書館には思い出もなく、周囲に本のことを語れる友人も特にいなかった身としてはちょっと羨ましくなりました(苦笑) 2017/06/29