内容説明
近い将来、日本の都市を襲うおそれのある、巨大な台風・地震・津波――。数十万~百万単位の人間が一挙に「大避難」せざるをえない状況下で、一体どのような行動を取るべきか? これまで数多くの大型災害番組を手掛けてきたNHKのチームが、徹底取材と、緻密なシミュレーションに基づき、巨大災害から「命をつなぐシナリオ」を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
スーパー台風に水害、南海トラフ地震、我が国は常に天災と隣り合わせだけど、近年報道のせいか常にそれが意識されるようになってきた。本書はそれら災害に対する研究や行政の取り組みをまとめた一冊。東京にスーパー台風が上陸した時の被害や南海トラフの犠牲者数など、最新の研究から導き出される被害は事に凄まじい。最悪を予想しているというが、常にそれを想定して動く事は必要だし。同時に自治体の取り組みも心強い。ただ個人個人の取り組みとしては、早めの避難以外出来る事はほぼ無いなあ。とりあえず防災用品買う事から始めようと思う。2022/12/08
壱萬参仟縁
43
避難は、退避行動evacuationと、長期的生活shelteringに分かれている(17頁)。台風17号襲来時の、線状降水帯ができるメカニズムが示されている(図1-2、30頁)。できたのは首都圏とその北の諸県だったようだ。広域避難の発想を鼓舞している。リスクとは、脆弱性と外力と暴露の重なる部分である(図1-11、67頁)。(対岸の火事ではなく、他山の石として、)リスクに対してどう備えるのかということを抜きにして巨大災害と向き合うことはできないという(73頁)。2017/06/17
Toshi
6
今後は温暖化影響で台風なんかも凄いのがくる可能性大らしい。南海トラフ地震もいつかくるし。大災害に備えた避難対策について平易に書かれてあり良い本です。いざという時の対応イメージは持っておきたい。2017/09/24
ふなこ
3
家の近くの川がすぐに溢れるので読んだ。でも避難勧告でも避難しなくて大丈夫っしょって思っちゃうんだよなぁ。マンションだからなぁ。上の階の人と仲良くなーろうっと。2020/10/30
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3
NHKは定期的に防災番組を制作・放送してくれているが、取材が各地域の自治体の啓発になっていると知り、その意義を改めて感じた。災害直後は「Nスペ」の視聴率は必然的に高くなる。一方で平常時は、水害のシミュレーション映像など観たくないと思うのも無理はない。だからこそ、落ち着いて情報に触れられるルポルタージュ本は貴重だと思った。2017/07/14