角川文庫<br> 多摩川のミーコ

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角川文庫
多摩川のミーコ

  • ISBN:9784041055243

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内容説明

星も見えない真っ暗な夜。子ねこのぼくは、人間に捨てられた。ごうごうと低くうなる、
恐ろしい音がする闇の中、温かく抱き上げてくれたのは、ほこりと汗の匂いのする一人の男性だった……。
多摩川の河川敷で、ホームレスの“おっちゃん”に拾われた捨て猫のミーコは、同じくおっちゃんに拾われた白ねこのたまさんと、一人と二匹で暮らし始める。厳しくも温かい日々の中、良い人間も、悪い人間もいることを学び、少しずつ人との絆を深めていくミーコ。成長するにつれ、おっちゃんやたまさん、自分の家族を守ろうと考え始めるようになる。しかしその矢先、大型台風が河川敷を襲って……。「おっちゃんの大事なねこ」になるために、ミーコが選んだ決断とは……?
2007年に関東を襲った大型台風「台風9号」。その裏で起きた、温かくも悲しい感動の実話。
【目次】
その一 春
その二 青葉のころ
その三 夏
その四 秋
その五 台風
その六 台風のあと
その七 冬
その八 ふたたびの春
あとがき 寄り添いあう世界

※本電子書籍は、角川つばさ文庫『多摩川にすてられたミーコ』を改題の上、加筆・修正した文庫が底本です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

54
ある日母猫から引き離されて多摩川に捨てられた雄猫ミーコ。ホームレスのおっちゃんに助けられて、先住猫の雌猫たまと仲良く暮らせるようになっていました。空き缶を集めて生計を立てているおっちゃんですが、収入の少ない時でも猫の餌優先。優しい人に助けられてホッとするものの、飼い犬をけしかけて子猫を襲わせる若い女性。ゴルフクラブで殴る人。ホームレスを襲う人等々人間の残酷さも描かれていて胸が詰まります。ホームレスや動物たちの生活を支援するボランティアの人々もたくさんいました。この本は、そんなボランティアの人が書いた実話。2023/05/11

菜穂子

48
多摩川に捨てられたミーコ。多摩川の小屋で暮らすおじさんと先住のたまとの日々の生活はミーコの成長の物語。2019年の台風での多摩川の被害を自分の目で見知っているのであの恐怖が蘇ってくる。人と動物の命を助けた人達がいたとほっとする。2024/01/18

楽駿@新潮部

31
川崎図書館本。にゃんこまつりで知った1冊。我が家の猫も、雨の中、多摩川から来た子なので、とても他人事と思えない。実際、出てくる地名からも、それほど離れていない。川べりに住む人達は、確かに多くがペットを飼っている。犬、猫、兎だけでなく、鴉を飼っている人も見かけた。その多くは、自分の食事代を削っても、ペットの為に少ないお金を使う。地域の猫ボランティアが、餌を与えているけれど、やはり、捨てられて、自分で生きにくい猫たちは、鴉に襲われて、片目を失くしたり、命を亡くしたりしている。中途半端に飼うなよ!最後まで→2023/03/24

sakai

31
「誰かに安心を与えるということは必死じゃないと出来ないことなの」というたまさんの言葉がとても胸に響きました。2018/12/02

SUN

23
泣けた。動物の話は涙なしに読めない。( ;∀;)2018/09/26

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