内容説明
人足寄場が舞台の時代小説、待望の第2弾!
小塚原刑場で、盗賊乙兵衛と捨十、鉦七の情婦お駒の処刑が行われた。逃げ延びた首領鉦七は、平之助と人足寄場に入った癸助への復讐を誓った。
その頃、江戸の町を嵐が襲った。人足寄場では、土嚢を積み準備していたが、高潮と強風で甚大な被害を被った。一部の人足は、三日間の解き放ちで命を掛けて船で江戸に戻ったが、そこには癸助と辰次郎もいた。運良く生き残った二人。癸助はお久邇の店で働いている妹のトミの行方を捜した。
いち早く、人足寄場に米三俵や必要な物資をもって見舞いに来たのが病身の長谷川平蔵だった。平之助は、伯父の長谷川平蔵の意見に従い、人足寄場復興のために町年寄の三家を回って資金を獲得しようとする。
お久邇、左吉と一緒にクニが寺に避難しているのを知って訪ねて行った癸助と辰次郎だったが、襲われた鉦七は、腹を刺されて辰次郎の知り合いの所に身を寄せる。
そして、トミが男にさらわれた。
調べをすすめる平之助は、トミの居場所を突き止め、今度こそ鉦七を捕まえようとするのだが。
著者渾身の時代小説シリーズ、第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一五
9
寄場 大型台風で水没!? 平之助奉行書与力の意地を見せる。平蔵が……… 3どうなる!2021/06/23
コブタ
6
前巻の続きで、凶賊鉦七が仲間を処刑された復讐のために平之助、癸助を狙う。単なる復讐劇ではなく、江戸の嵐、寄場復興のための資金集めに長谷川平蔵をも絡め、ちょっと欲張りすぎな物語と思ってしまう。平之助の想いがこのタイトルとなっている。2021/01/28
高橋 (犬塚)裕道
5
星3.5。面白い!このシリーズは面白いなあ。阿比留平之助が良い。この先はどうなるのだろう?楽しみだ。2023/08/26
ひさか
3
2017年5月小学館文庫刊。書下ろし。シリーズ2作目。平之助の頑張りが、楽しい。後ろ楯の叔父さん無しの今後が気になります。2017/07/31
鈴木正大
0
江戸時代にこんな人足寄場のような福祉思想があったなんて驚きです。医療に関しても小石川療養所があったりして今よりよっぽど弱者救済の思想が発達していたんだ。オレオレ詐欺みたいに年寄りを騙すなんて江戸時代に負けているよ。ホントに恥ずかしい事だ。2017/05/12